60以上の選挙区で自民vs野党のデッドヒートとなっている10.31衆院選。とくに岸田首相が率いる岸田派(宏池会)の候補は軒並み苦戦を強いられている。このままでは、宏池会の勢力衰退は待ったなしだ。

 宏池会には衆参合わせて46人が所属していたが、閣僚経験のある宮腰光寛元沖縄北方担当相と竹本直一元科学技術担当相、三ツ矢憲生元外務副大臣の3人が引退。衆院勢力は31人に減っている。

 ただでさえ人数が減っているのに、今回の選挙は、多くが当落線上で喘いでいる。自民党が行ったとされる情勢調査によると、31人の宏池会メンバーのうち15人が野党候補と接戦を繰り広げている(別表)。宏池会の衆院勢力の半分が、リードを許しているか、リードしていても5ポイント差以内に収まっている状況だ。

 若手・中堅だけでなく、閣僚経験者も劣勢もしくは並ばれている。前デジタル相の平井卓也氏(香川1区)と元地方創生相の北村誠吾氏(長崎4区)は立憲候補に後れを取り、元地方創生相の山本幸三氏(福岡10区)も立憲候補と互角の戦いを演じている。

 大阪1区と2区では維新候補に先行され、静岡5区では民主党政権で環境相を務めた細野豪志氏に10ポイント以上も差を付けられている。埼玉1区では、首相補佐官に抜擢された宏池会のホープ・村井英樹氏が立憲候補と横一線だ。早くも「落選しても補佐官はできるから問題ない」(自民党関係者)と落選を見越した指摘まで出始めている。

 宏池会の半分が選挙区を落とすようなことになれば、党内の岸田首相の求心力が低下するのは間違いない。選挙後、政権運営が一気に苦しくなる可能性がある。
https://news.yahoo.co.jp/articles/d4e7236ac0db78679f298c82758cf649fe7bf5d5
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