衆院選で立憲民主党が政権を獲得した場合に、共産党が「限定的な閣外からの協力」をするとした合意を巡って、両党間の温度差が顕著になっている。保守層を含めた幅広い支持を得たい立民が、選挙戦では積極的に合意に言及しないのに対し、共産は「野党共闘」を党勢拡大につなげようと猛アピールしている。

 「私たちは変えるための具体的な提案と準備をしている。私たちに力を与えてほしい」

 立民の枝野代表は26日、宮崎市での街頭演説で、政権交代を訴えた。同市を含む宮崎1区では、共産が候補者擁立を見送ったが、共産との選挙協力に触れることは一切なかった。

 一方、共産の志位委員長はこの日、長野市内でマイクを握り、「政権交代には本気の共闘が必要だ」と述べ、合意の意義を強調した。立民と共産では外交・安全保障政策が異なるが、志位氏はこれまでの街頭演説でも同様に野党共闘を前面に打ち出す場面が目立つ。

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