米国務省は27日、LGBTQなど性的少数者らの多様な性自認に対応したパスポート(旅券)を初めて発行したと発表した。男性と女性しかなかった性別欄で、新たな選択肢としてどちらでもない「Xジェンダー」が選べる。全てのパスポート申請者が同様にXジェンダーを選択できるように、2022年の早い時期にシステムの大規模な更新を終えたい考え。

ブリンケン国務長官は6月、パスポートの性別欄に男性と女性以外の選択肢を創設するための手続きを始めたと発表しており、今回の措置が第1弾。性的少数者の権利擁護を進めるバイデン政権の姿勢をアピールする狙いがある。

国務省はパスポートを交付した人物を公表していない。AP通信によると、身体的特徴から男女の区別が難しい「インターセックス」で、パスポートの性別欄に男性と女性以外の選択肢を増やすことを求めて法廷闘争をしていた活動家に交付された。

国務省は今年6月末から、これまでパスポートの性別欄で出生時と違う性別を選択する際に義務付けられていた医療機関の証明書の提示について、不要とする手続き変更を実施した。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN2802G0Y1A021C2000000/?n_cid=SNSTW006&;n_tw=1635385147