もう「安全な国」でなくなった日本が、若者を「自助」で追い詰める危険さ
2021年11月19日(金)17時18分


(前半略)


なぜ希望を完全に失った20代の若者がいるのか。それを探ることが最重要課題だ。平和な時代の民主主義の国で、「仕事や人間関係がうまくいかない」から「死にたい」「死刑になりたい」などと言う人がいるのは、極めて大きな社会問題だ。

日本で事件を起こすのは、無職の人が多い気がする。一時の状況であっても仕事がなければ社会に参加できず、ほぼ「非社会人」の状態になってしまう。仕事がない原因はさまざまだから、「ゴミ。捨てていい。何もできない人間だから」と結論付けるのは間違いだ。でも日本では人生のパターンが決まっていて、その道をうまく進めない人は社会から追い出されるリスクが高い。

そのうえ政府が「自助」を強調すれば、社会にSOSを出すために他人を殺そう、と思ってしまう若者が出てきてもおかしくない。国は「まず自助」ではなく、真逆のメッセージをできるだけ早く出すべきだ。それは「何か悩みがあったら、直ちに相談してください。社会と国が君を助けるから」ということ。

つまり「まず自助、次は共助、最後に公助」と順番をつけるのではなく、「自助・共助・公助」を同時に動かしてほしい。時間がないのだから。

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