最も感染スピードが速い新型コロナウイルスの変異株「デルタ株」が米国で猛威を振るった今年の晩夏、米国疾病予防管理センター(CDC)の研究チームは米国連邦刑務所局の支援を受け、米テキサス州にある刑務所の受刑者から数週間にわたって鼻咽頭ぬぐい液を採取した。当時、受刑者の74%が新型コロナウイルスに感染していた。

研究チームは、2つの大きな雑居房で生活していた受刑者を観察対象として選んだ。
対象となった95人のうち、78人はワクチン接種を完了し、2人は1回目接種を終了、15人は未接種だった。新型コロナウイルスの検査では、ワクチン未接種者の93%が陽性、接種者の70%が陽性だった。
研究チームは、採取したウイルスのサンプルも調べた。ワクチン未接種と接種者の鼻咽頭におけるウイルスの生存期間に違いは見られず、両方グループともに13日だった。
唯一の例外は、過去に新型コロナウイルスに感染した人たちで、感染後にワクチン接種を受けたかどうかに関係なく、ウイルスの生存期間は10日未満だった。
研究チームは、ワクチン接種者と未接種者から新型コロナウイルスに感染する可能性に大きな違いはなく、ワクチン接種の状況に関係なく、接種者にも未接種者にも感染予防対策を講じる必要があるとの結論に達した。
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