政府は30日、28日にナミビアから成田空港到着後に新型コロナウイルス陽性と診断された男性が、国内初確認となる新変異株のオミクロン株に感染していたと明らかにした。
今月中旬に南アフリカで初確認されてから、あっという間に国内に流入してしまったオミクロン株。

デルタ株以上の感染力を持つとされているだけに、平穏を取り戻しつつあった日本国内はどうなってしまうのか――。

感染していたのはナミビアから入国した30代のナミビア人外交官で、政府は家族も含め同じ飛行機に搭乗していた70人全員を濃厚接触者と認定した。

最初に発見された南アフリカでは、わずか2週間ほどで感染者がデルタ株から高い割合でオミクロン株に置き換わる感染力の強さを見せたが、
医学博士で防災・危機管理アドバイザーの古本尚樹氏も「オミクロン株による第6波は確実に来る」とした上で、こう話す。

「国民のワクチン接種率が低い南アフリカだが、感染状況を見ると若者層の感染者が増えているのが特徴的。
オミクロン株はヒトの細胞と結合して感染を引き起こすスパイクタンパクが32か所も変異しており、
これまで以上に若年層に感染しやすくなっている可能性がある。日本でオミクロン株による第6波が起こるとすれば、ワクチン未接種の子供が集まる小学校が起点になる」

日本でのワクチン接種は12歳以上と決められているため、11歳以下の小学生らは新型コロナに対して無防備な状態だ。

当初は比較的感染リスクが低いとされてきた若年層だが、変異を繰り返すたびに感染リスクが高まってきたのは事実。
それが今回の新変異株の出現によって、爆発的にリスクが増大していてもおかしくはないというワケだ。

さらに危ういのが、今春にワクチン接種を完了した高齢者たちの抗体価が落ちている可能性が高いことだ。
各調査からワクチン接種完了後、半年で抗体量は70〜80%減少するとの報告が多数上がっている。

「政府は12月から今春に接種完了した医療関係者や高齢者へのブースター接種を始める方針だが、
オミクロン株の世界での感染拡大スピードを見ていると、第6波に間に合わないかもしれない。

その状態で市中感染が広がれば、重症化リスクの高い高齢者たちが無防備に近い状態でオミクロン株にさらされることになり、
再び病床を逼迫させて緊急事態宣言の発出という医療にも経済にも厳しい状況になりえる」
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