2021年12月7日(火)(愛媛新聞)

 衣料品通販大手ZOZO(ゾゾ)創業者の前沢友作さん(46)が8日、ロシアのソユーズ宇宙船に搭乗し、宇宙旅行にたつ。日本人初の民間人として国際宇宙ステーション(ISS)への滞在を目指すこのプロジェクトには、愛媛県今治市出身の平野陽三さん(36)が同行する。偶然と奇跡がいくつも重なり得た機会という平野さん。打ち上げを前に「誰もがチャンスと可能性を秘めていることを体現できたら」と愛媛新聞にメッセージを寄せた。



【同行へ訓練100日 「写真・映像 愛媛撮りたい」】

 平野さんは、今治西高、京都府立大を卒業後、2007年にスタートトゥデイ(現ゾゾ)に入社し、フルフィラメント部門の責任者などを務めた。CM制作会社を経て、現在は前沢さんの関連会社役員やマネジャーを務める。前沢さんのユーチューブチャンネルの企画撮影も手掛け、プロジェクトでは訓練や12日間にわたるISS滞在の記録を担当する。会員制交流サイト(SNS)などで写真や映像をリアルタイムで発信する。

 現在は前沢さんや同乗するロシア人宇宙飛行士らと、打ち上げ基地があるカザフスタン・バイコヌールに滞在し、ホテルで隔離生活を送りながら出発を待つ。「約100日間に及ぶ訓練を受けてソユーズの安全性を身も持って感じたし、スタッフとも良好な関係を築けた。緊張や不安はなく、どちらかというとドキドキワクワクといった心境です」

 出発は8日午後4時37分の予定。打ち上げは、前沢さんのユーチューブチャンネルで中継される。日本人の商業宇宙飛行は、1990年に日本人初の宇宙飛行士となった秋山豊寛さん(当時TBS記者)以来、31年ぶり。愛媛関係では、父親が松山市出身の宇宙飛行士の大西卓哉さんが2016年にISSに長期滞在した例はあるが、県人としては宇宙飛行自体が初となる。
https://www.ehime-np.co.jp/article/news202112070031