『反日マスコミの真実2』(オークラ出版/2008年1月13日発行)
そもそも在日問題は、自らの意志で職を求めて内地に来て、終戦後も自らの意志で帰国せずに残留した約五十九万八千人(昭和二十二年末)に端を発する。昭和四十年の日韓基本条約の交渉過程で、彼らと韓国政府は三世以下子々孫々までの永住権を要求していた。しかし日本政府はこのときは「日本には存在しない少数民族問題を抱え込んでしまうことになる」としてその要求をはねつけ、本人とその子供(二世)までは永住権を認めることで妥結した。しかし、この際に相手の顔を立てたのか妥協したのか、二十五年後にこの問題を見直す約束をしてしまった。日本側は二十五年もたてば全員が日本に帰化してしまうと思っていたからだ。
しかし甘かった!彼らはこの二十五年間、義務教育・生活保護・国民健康保険・国民年金・弁護士や地方公務員への採用など、日本人と同様の権利を外国人であり続けながら次々と要求し獲得してきた。そして二十五年たった平成三年一月、時の海部首相訪韓時についに「三世以下の子孫も簡素化された手続きで永住を認める」と合意してしまった。ここに日本は明治以来はじめて少数民族問題を抱え込むことになったのである。日本国籍を有せず「大韓民国の国是と憲法と法律を遵守し(民団綱領)」または「愛族愛国の旗印のもと・・・・・主体偉業の継承完成のために献身する(朝鮮総連綱領)」六十九万人の異民族が未来永劫十世百世まで永住し続けることになったのだ。他の国籍を有する異民族集団に未来永劫永住権を認める国が古今東西どこにあるだろうか。お人よしもここに極まれり。
さて、これは日本国にとっては一大事件だったが、筆者はまったく記憶にない。そこで当時の新聞を見たところが、なんとほとんど報道されていないのだ。読売は二面で「未来志向の友好確認」「首相訪韓は一定の成果」「在日韓国人問題に区切り」と扱いは大きいが、記事の中では「三世以下の子孫永住」については一言も触れていない。読者にはなぜ一区切りになったのかさっぱり分からない。また「民団は前進と評価」との見出しで団長の「一つのけじめがつけられたという点で評価する。両国首脳の真摯な努力に謝意を表する」とのコメントを報じているが、読者には民団が何を評価しているかまったく不明である。朝日は夕刊の二面にベタ記事で在日韓国人の法的地位待遇改善の覚書の内容の要約を伝えるだけで一切解説なし、この重大問題をまったく頬かむりしてしまっているのだ。「報道しないという偏向報道」をここでもやっているのだ。