https://www.renewable-ei.org/activities/column/REupdate/20210528.php
小型モジュール式原子炉は、たいていが悪策だ

>小型モジュール炉(SMR)が発電のための主要な、または唯一の答えだと
主張している人たちは、自分が何を言っているのかわかっていないか、
積極的に偽情報を流しているか、あるいは意図的に気候対策を遅らせているか
のいずれかである。

SMRを支持する人たちは、通常、以下のような主張をしている。

? より安全である
? 大規模な集中型工場で製造できるので、コストが安くなる
? 遠隔地の施設や地域社会にクリーンな電力を供給できる
? 廃止された石炭火力発電所跡地に導入できる
? より早く建設できる

 実際にはこれらのいずれにもあたらない。

>第一に、従来型原子炉はすでに安全である
>チェルノブイリ原発事故は設計が悪かった。福島原発事故は立地や運転判断に誤りがあった。
>原子力が市場で失敗している理由は、安全上の懸念ではなく、経済性の問題である。

第二に、規模の経済が働くためには、製造工場で同じものを何百、何千、何百万と
製造しなければならず、さらに何百、何千という将来の市場規模が予測されなければ
ならない。しかしこの分野には、18種類の異なる技術と、その中で競合する多くの
設計が乱立していて、主力となるような一貫した単一の技術は確立されていない。

>スケールメリットがなく、コスト削減もできない。Nu Scale社は、SMRの
発電コストを、現在の風力、太陽光発電の卸売り価格(1MWh当たり約65ドル)の
2倍程度に抑えたいとの期待を表明している。