“大阪のジャンヌ・ダルク”は国会でも物申す れいわ・大石晃子議員
2022/1/2 16:00

 昨年10月の衆院選で初当選した97人の議員の中で、注目の新人がいる。れいわ新選組の大石晃子議員(44)だ。国会議員に月額100万円が支給される文書通信交通滞在費(文通費)の問題を巡り、日本維新の会の吉村洋文副代表(大阪府知事)が強烈な“ブーメラン”を受けるきっかけを作った。大阪府職員時代には、後に維新の創設者にもなる橋下徹府知事(当時)に異を唱え、“大阪のジャンヌ・ダルク”と言われたことも。最近では、ツイッターでトレンド入りし、“維新キラー”の異名まで持つ。どんな思いで政治家になったのか。事務所を訪ねた。

文通費問題で維新の“矛盾”指摘

 注目を集めるきっかけとなった文通費の問題は、大石さんも当選した昨年10月31日投開票の衆院選直後の11月に浮上した。

 月額100万円の文通費は、国会議員に対し、給与の歳費(月額約129万円)などとは別に支給され、議員活動に伴う書類の印刷代や切手代、電話代などに充てられる。しかし、領収書が不要なため、使い道がチェックされていない。

 この文通費は、日割りで支給する仕組みがなく、10月31日に初当選した議員らは在職わずか1日なのに、10月分が丸々支給された。そのことを、維新の新人議員が「国会の常識、世間の非常識」と、投稿サイト「note」で指摘すると、世論の批判が起こった。「身を切る改革」を掲げる維新副代表の吉村大阪府知事もツイッターで「『経済的弱者の救済を!』と声高に叫ぶ政党も、結局、自分達の厚遇に関しては、みんなで仲良く下向いて知らんぷり」と他党を批判した。

 ところが、吉村知事は、2015年10月1日に衆院議員を辞職して大阪市長選に出馬した際、10月は在職1日なのに文通費を満額受け取っていた。その“矛盾”をツイッターで指摘したのが大石さんで、ネット上で「特大ブーメラン」などと反響を呼んだ。

 吉村知事は囲み取材で、「振り返ればきっちり対応すべきだった。やり過ぎてブーメランが刺さりました」と認めて反省した。

 12月21日に閉会した臨時国会では、この文通費に関わる国会議員歳費法について、与野党で「日割り支給」に改めることは一致したが、立憲民主や維新、国民民主の野党3党は、領収書の添付による使途公開なども含めた改正を要求。与党が難色を示したため、法改正は先送りになった。

 大石さん自身は、文通費について「むしろ200万円でも300万円でも認めて、実費精算以外は受け付けないようにしてほしいです」と主張する。自身のツイッターでは「維新が『100万円もったいない』と空騒ぎ。維新を倒すための戦費として私は100万円でも何でも使います」とも記している。

「大石さん」がツイッタートレンド入り

 維新への批判はこれにとどまらない。

 12月12日のNHK「日曜討論」では、コロナ禍の影響で大阪の保健所職員が過労死レベルの残業を継続して強いられていることなどを指摘。それぞれ維新の代表と副代表である、松井一郎大阪市長と吉村大阪府知事が取り仕切る府・市政の在り方を、その場で維新議員に追及するなどした。放送後は、「大石さん」がツイッターでトレンド入りした。

 自身は、吉村知事のブーメランとなった文通費受給を指摘したことについて「文通費は、(岸田文雄政権が昨年11月に決めたコロナ対応の)経済対策55兆円に比べたらごくわずかです。そんなことを議論している場合かと思っていました。でも、維新が何か言っているのか。それなら、ちょっと言うといたろうぐらいな話です」と語る。

 「『新しい資本主義』を掲げた自民党の岸田政権が生まれ、国民は一定程度、期待しました。介護職の賃金も上げると言ったけれど、出てきたものはしょぼいですよ。やっぱり岸田政権もあかんと。そういうことに注目すべきです」

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https://mainichi.jp/articles/20211229/k00/00m/010/019000c