茨城県のJR日立駅前の商業施設「イトーヨーカドー日立店」が16日、閉店する。

1991年10月のオープン以来地域ににぎわいを生んできた大型店の撤退は、
新型コロナウイルス禍の影響で冷え込む地域経済にさらなる打撃を与えかねない。

今後の見通しが不透明な中、日立市や商店会は対策を進めている。

ヨーカドー前の通りで8日、イベント「at・キャラバン〜ありがとうヨーカドー さよならヨーカドー〜」が開かれた。
ミニライブやフリーマーケットのほか、「思い出写真館」と題し、かつての周辺のにぎわいを撮影した写真も展示。

訪れた人たちは「この頃はずいぶんにぎやかだった」などと思い出話に花を咲かせていた。


イトーヨーカドー日立店は、5階建てビルの地下1階から地上3階(延べ床面積約2万4000平方メートル)で食料品、衣料品などを扱っている。
市などによると、当初は120億〜130億円を売り上げていたが、近年は人口減少や郊外型店舗の進出の影響で30億〜40億円まで落ち込み、赤字が続いていた。

ヨーカドーの16日閉店と同時にテナント24店舗も閉店するが、4、5階にある100円ショップ、書店、ゲームセンターなどは営業を継続する。

日立市は、ヨーカドー閉店後も日立駅前地区で買い物環境を維持するため「ひたちこれから。プロジェクト」を進めている。
閉店翌日の17日から期間限定で、駅前のビルに生鮮食品や弁当、生活雑貨などを取り扱う店を開く。

商店会などの主催で毎週末にフリーマーケットやスタンプラリー、キッチンカーの出店などのイベントも開き、にぎわい創出を図る。

ヨーカドー閉店後、退去には数カ月かかり、現時点で後継テナントの見通しは立っていない。

小川春樹市長は「長い間空白にしておくことはできない。異なる業種も検討しながら、建物全体の再オープンを目指したい」
と話しており、市はビルの所有者と連携しながら誘致に力を注いでいる。
https://mainichi.jp/articles/20220109/k00/00m/020/028000c

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