>>467 の続き
<リアリストの反対>
国際政治学リアリズム学派のことをリアリストという。

・ジョージ・ケナン(ソ連封じ込めの外交官)
1997年、アメリカ議会がNATO東方拡大政策を承認した時、ケナンは猛反対した。
彼は今日の米露対立を予測し、「冷戦後の全時代におけるアメリカの政策の最も運命的な誤りだろう」と言った。
それはロシアを挑発して、紛争のリスクを無用に高める。

・ジョン・ミアシャイマー(国際政治学者、シカゴ大学教授、地政学の権威)
ミアシャイマーもNATO東方拡大政策を批判。
2014年のウクライナの政変とクリミア併合では、西側指導者を批判し、ロシアを擁護した。
ウクライナはアメリカにとってはキューバのような緩衝地帯なのだ。
台頭する中国の覇権を封じ込めるために、アメリカにはロシアの協力が必要なのである。

・エドワード・ルトワック(軍事戦略家、地政学の権威
ルトワックはアメリカ政府のウクライナへの肩入れを批判。
やはり、台頭する中国の覇権を封じ込めるために、アメリカにはロシアの協力が必要だと言っている。

ウクライナを巡って米露が対立すると、極東の軍事展開は薄くなるから、利益を得るのは中国で、ピンチになるのは我々なのだ。
そして、アメリカの政治権力は、アメリカの国益にならない一極覇権主義政策を進める人たちが握っている。
侵略的なのはロシアではなく、アメリカなのだ。

続く