毎日新聞 2022/1/16 大阪朝刊

 絶滅危惧種の細胞を凍結保存し、遺伝情報を将来に残すプロジェクトが国立環境研究所(国環研、茨城県つくば市)で進んでいる。
個体数を増やす研究や、万が一絶滅した場合の原因究明などに生かすため、絶滅危惧種の遺伝情報を将来に残す「タイムカプセル」となるもので、保管などのための寄付を募っている。

 プロジェクトでは、交通事故などで死んだ絶滅危惧種の皮膚などから培養した体細胞や、受精卵などの生殖細胞を液体窒素で冷却したタンクで保存する。生物の特徴を将来に伝えるだけでなく、
ウイルスなどの感染しやすさを調べて種の保全につなげる研究も進める。環境省のレッドリストで絶滅危惧種に指定されている種のうち、哺乳類▽鳥類▽爬虫(はちゅう)類▽両生類▽魚類――の全385種の保存を目指す。

https://mainichi.jp/articles/20220116/ddn/012/040/001000c