富山テレビ
2022年1月17日 月曜 午後7:31

富山市の酒屋に、ある理由で20年保管されていた日本酒があります。
そこには、父親のむすめへの愛情と、叶わなかった願いが込められていました。

富山市緑町に店を構える寺島酒店。
日本酒を中心に取り扱い、県内の飲食店などに卸しています。
この店の倉庫に送り出される、その日が来るまで20年間にわたり保管されてきたお酒がありました。
実は、今は亡き、ある男性の思いがこもったもので、先日、ついに発送の日を迎えました。

20年前に、この酒を注文した佐藤年哉さんです。
佐藤さんは、富山と高岡、それぞれの商工会議所の弁理士を2004年まで務め、月に1度は自宅のある東京から富山を訪れていました。
2002年に娘を授かったお酒好きの佐藤さんは、ゆかりの地富山で「娘が成人したら一緒に飲みたい」と、娘の誕生日につくられた酒を友人である寺嶌さんに注文していました。

*寺島酒店 寺嶌圭吾さん「3月29日につくったお酒をとっておいてくれと言われた。お酒もその日に生まれているし、娘もその日に生まれた」

注文を受けた寺嶌さんは、県内の酒造メーカーに手当たり次第に連絡をとり、娘の誕生日である3月29日につくられた日本酒を探し、満寿泉24本を用意。
しかし、佐藤さんは娘が1歳のときに脳出血で入院し、その後は寝たきりとなり、話をすることができず、去年1月、59歳の若さでこの世を去りました。
成人した娘と、あのお酒を一緒に飲むという佐藤さんの願いは叶わなかったものの、その願いを知る寺嶌さんは、ずっと店の倉庫でお酒を保管し、先日、娘に向けて発送したのです。

*寺島酒店 寺嶌圭吾さんご夫妻「お酒を売っているという感じじゃない。いろんなものがこのお酒を通してつながっている」

今年、成人を迎える佐藤さんの娘、舞桜さんです。
寺嶌さんの手によって、父からの祝い酒が届けられました。
     ===== 後略 =====
全文は下記URLで
https://www.fnn.jp/articles/BBT/300551