米疾病対策センター(CDC)は21日、新型コロナウイルスに関する3つの大規模な研究結果を発表した。

ワクチンのブースター(追加)接種がオミクロン変異株に対する最も有効な防御手段であることを強調する内容で、
2度の接種をもって接種完了とする現行の定義に疑問を投げかける状況にもなっている。

オミクロン株に対するブースター接種の効果を実際のデータをもとに検証したのは今回が初めて。
現在米国では、コロナ感染の99%以上をオミクロン株が占めている。

CDCに対してワクチン関連の助言を長く行っているウィリアム・シャフナー博士は
「ワクチン接種の完了を3回接種に再定義する必要があると思う」と述べた。同博士は今回の研究に関与していない。

研究は数百万件に上る感染事例のほか、数十万件の救急診療施設への受診、数万件の成人の入院を対象とした。

CDCが10州で8万8000件近くの入院事例を調べたところ、オミクロン株が支配的だった先月から今月にかけて、
入院を防ぐブースター接種の有効性は90%だったことが分かった。

これに対し2回接種の有効性は、2回目の接種から半年以上経過した時点で57%だった。

救急診療の受診を防ぐブースター接種の有効性は82%だった。これは10州で20万件の受診例を検証した結果だという。
一方で2回目の接種から半年以上経過した2回接種の場合、救急診療の受診は38%の有効性でしか防ぐことができていなかった。

2つ目の研究では、3回接種した人はオミクロン株に感染する可能性が低くなるとの結果が出ている。
これは25の州と各地の保健当局のデータをもとに、CDCの研究者らが接種状況と感染者数を分析。

その結果、ブースター接種を受けた人の間の感染者数は1週間当たり平均で10万人中149人だったのに対し、
2回のみ接種の人の感染者数は同255人だった。

これらの研究結果はCDCの疾病率と死亡率に関する週次報告で公表された。

3つ目の研究は医学誌JAMAに掲載されたもので、ブースター接種がオミクロン株による発症を防ぐのに寄与していることを示す内容。
国内のオミクロン株の感染者1万3000人余りを調べたところ、症状が現れる可能性はブースター接種をした人の方が2回接種の人よりも66%低かったという。

上記の3研究とも、新型コロナの発症リスクはワクチン未接種者で最も高かった。

CDCのデータによれば、ブースター接種を受けている人は接種資格のある人のうちの半分以下。
2回接種とブースター接種をともに完了しているのは米国の全人口の4分の1程度にとどまる。


接種資格のある5歳以上の全人口のうち、2割近くはワクチン接種を一度も受けていない。
https://www.cnn.co.jp/fringe/35182456.html
https://www.cnn.co.jp/storage/2022/01/22/ec9f3272f59e9731c06edbaef26b088f/t/768/432/d/vaccine-booster-arkansas-file-super-169.jpg