2022/1/31 04:05

 鳥取県の平井伸治知事は30日、県西部で新型コロナウイルスの新規感染者が3日連続で100人を超えている現状に関し「ほとんど米子問題≠フようになってきている」と述べ、米子市の対応に苦言を呈した。感染が拡大している学校への対策が不十分との認識を示し、「市長に対策を求めているが、なかなか聞き入れてもらえない」と不快感をあらわにした。

 県が30日に発表した新規感染者数は過去2番目に多い175人に上り、このうち米子保健所管内が127人と7割強を占めた。

 こうした中、中国地方知事会の新型コロナウイルス感染症対策本部会議にウェブ出席した平井知事は、学校や保育施設で感染は広がっていると指摘。米子市で際立って感染者が増えているにもかかわらず「(市長は)地元の飲食店街の支援ばかり言ってくる。非常に難儀している」と述べた。

 その上で、地域ごとの感染状況を踏まえて小中学校の部分休校(一部学年の出校停止)を要請した島根県の対応に触れ「全国に通じる好例だ。私たちも知見を共有していければと思う」と話した。

 会議後、取材に応じた平井知事は「10日前くらいから再三、米子市の状況は悪くなっていると市長に警告を発してきた。島根県の事例を紹介しながら、思い切った措置を含めて(対策を)取るよう要請している。市の問題として考えていただきたい」と求めた。

 一方、30日発表分の新規感染者数が55人だった島根県の丸山達也知事は会議後の取材に対し、県内の感染拡大は落ち着きつつあるとの見方を示しつつ「第5波より高い数字が続いている。予断を許さない状況だ」と述べた。

 中国地方知事会はこの日、学校行事や部活動の実施を慎重に検討することなどを求める4項目のメッセージをとりまとめた。

 (福間崇広、曽田元気)

https://www.sanin-chuo.co.jp/articles/-/157136