オミクロン株では、感染者がマスクをしていても、50センチ以内での会話は、感染リスクを高めることが、理化学研究所のスーパーコンピューター「富岳」を使ったシミュレーションでわかった。

 初期の株には効果が高かった対策でも、オミクロン株では感染が広がる可能性がある。

 チームは疫学調査の結果などから、オミクロン株の感染力をデルタ株の1・5倍として計算した。

 シミュレーションは過去の五つのクラスター事案を元に、@体内に入るウイルスが少なくても感染リスクが高い場合、Aある程度多くなるまで感染しない場合、B平均の三つの条件で実施。2021年のランキングで、世界最速とされた富岳の計算能力を活用して感染確率を算出した。

マスクせず15分会話したら
 マスクをしない場合、デルタ株では1メートル離れて15分会話した条件では平均50%程度、最大80%強だったのに対し、オミクロン株では平均60%程度、最大だと90%を上回った。

 感染対策として呼びかけられているように、会話の相手との距離を2メートルを空けた条件でも、オミクロン株では平均で20%強、最大だと60%ほどに達すると計算された。

 感染者がマスクをした条件でも、会話するときの距離が50センチだと、オミクロン株では最大10%ほど、25センチだと同30%ほどになった。お互いの肩を寄せて話すイメージだ。1メートル以上離れた場合は、ほとんど感染リスクはなかった。

 シミュレーションは会話の相手がマスクをしていない仮定で計算している。

 ただ、研究を主導した理研チームリーダーの坪倉誠・神戸大教授によると、ごく小さな飛沫(ひまつ)(しぶき)はマスクの隙間などを通り抜けてしまうため、先に挙げた条件では、相手のマスクの有無で感染させてしまうリスクは変わらないと予想されるという。

飲食店やカラオケ店では?
 チームはテーブル、カウンタ…(以下有料版で,残り815文字)

朝日新聞 2022年2月2日 15時38分
https://www.asahi.com/articles/ASQ224WNMQ2PLBJ001.html?iref=comtop_7_01