不妊治療43歳未満 診療報酬、暮らしへの影響

 2022年度診療報酬改定では、不妊治療への保険適用や1枚で複数回使える処方箋の導入などが盛り込まれた。一方、紹介状なしで大病院を受診する場合は特別料金を増額するなど、患者負担に影響する項目も取り入れられた。

 〔不妊治療〕4月から保険適用となる体外受精や顕微授精などは、女性では治療開始時点で43歳未満が対象となる。治療回数は40歳未満の場合、子ども1人につき6回、40歳以上43歳未満は3回が上限だ。男性側に起因する検査なども適用対象となっており、男性には年齢制限を設けない。対象となった治療は原則3割負担で済むため、経済的な負担が減る見込みだが、治療方法は個人差が大きく、恩恵を受けられないカップルも。不妊治療に取り組みやすい環境を整備するため、企業や自治体の支援拡充も求められる。
 〔オンライン診療〕コロナ禍で特例的に認められていた初診時のオンライン診療が4月から恒久化され、初診料が上がる。パソコンやスマートフォンで医師の診断が初診時から受けられ、患者の利便性が高まりそうだ。ただ、導入に慎重な医療機関も多く、対応可能な医療機関は全体の15%程度。さらなる普及が課題だ。
 〔リフィル処方箋〕一定期間内なら医療機関を受診せず繰り返し薬が受け取れる処方箋で、1枚で最大3回までの使用が可能。向精神薬など投薬量に限度がある薬は対象外だが、症状が安定している慢性疾患の患者らが対象となる見通し。投薬期間は医師が判断する。
 〔大病院受診〕紹介状を持たずに大学病院などの大病院を受診した患者から徴収する特別料金を、初診で現在の5000円から7000円に、再診で2500円から3000円にそれぞれ引き上げる。実施時期は10月1日から。対象となる医療機関も拡大する。
 〔ヤングケアラーの支援強化〕家族の介護や世話を担う18歳未満の子ども「ヤングケアラー」を支援。介護が必要な親などが入院した際、子どもがヤングケアラーであることを把握した医療機関が自治体の支援窓口に連絡した場合、報酬を加算する。早期発見で支援を受けやすくするのが狙い。虐待が疑われる子どもの支援に向けた連携も新たに報酬面で評価する。

時事通信 2022年02月10日08時40分
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