新型コロナウイルス感染者が急増するなかで、保健所は重症化リスクがある人への対応を優先する。

しかし、持病がある大阪府内の男性(45)に保健所から連絡が来たのは感染判明から5日後。
往診してくれる医師を自分で探し、入院時には肺炎症状が出ていた。

保健所業務が逼迫(ひっぱく)し、「放置状態」となる患者もいるのが実情だ。

「待っても待っても保健所から連絡はなかった」
大阪市内で勤務する男性(45)は1月26日、職場でせきが出始めた。仕事を中断して同市内の医療機関で検査を受け、コロナ感染が判明した。

府内の別の市にある自宅で連絡を待った。

この場合、新規感染者の「発生届」は医療機関から大阪市保健所に提出される。
大阪市保健所が男性の地元保健所に連絡し、地元保健所が症状を把握して入院・療養方法を決める。

大阪市保健所から連絡があったのは、感染判明5日後の1月31日。住所だけ聞かれ、「あとは地元保健所に引き継ぎます」と言われた。
男性は肥満と高血圧の持病があり、高熱も続いていたが、それを伝える間もなかったという。

2月1日、ひどい息苦しさを感じるようになった。母親が地元保健所に問い合わせたところ、「大阪市保健所からデータが届いておらず、対応できない」と言われた。

大阪府が緊急連絡先とする「自宅待機SOS」に5〜6回電話しても、つながらなかった。
https://www.asahi.com/articles/ASQ2G6D13Q2GPTIL00M.html