少子化やコロナ禍の影響もあり、7日までの判明分で志願者数が10万人を超えた大学は3校にとどまった。

近大が14万人を超えてトップを維持したほか、法政大は昨年の最終志願者数から1万7332人増の10万8280人で確定し、7日時点では2位に。明治大は前年に割り込んだ10万人の大台を回復している。

大学通信情報調査・編集部の井沢秀部長は「近畿大も情報学部を新設して志願者を増やしたが、法政大がかなり増やしてきたのは入試方法を変えないことが受験生に好感されているほか、メインキャンパスが都心にあり、明治大と同様に女性人気が高いことも要因だろう。着実にブランド力を強化してきた結果ではないか」と分析した。

早稲田大は9万3843人で確定し、2年連続の10万人割れとなったが、前年からは志願者を増やした。

上位の有名大が総じて志願者増となっている背景について井沢氏は、「昨年はコロナ禍で受験生の不安も大きく、志願者が大幅に減少し、多くの有名大が倍率を落とした。今年はその倍率をみて積極的に志望校に挑戦しているのだろう。また全学部の受験生が一斉に試験を受ける『全学部日程』に人気が集まっていることも特徴の一つだ」と説明した。

一方でMARCH(明治大、青山学院大、立教大、中央大、法政大)の一角である中央大は、判明時点で昨年の最終志願者数を約1万5000人下回っている。その理由について井沢氏は「2023年に都心の東京都文京区に茗荷谷キャンパスを設けるため、志願者を伸ばすと思われたが、受験生の認知が足りなかったのかもしれない。MARCHの中では地方の受験生が多いため、来年は増やしてくるのではないか」とみる。

関西勢では関西学院大が2年連続の志願者増を達成した。21年には、不景気で人気が高まるとされる理系4学部を開設している。「入試方式を変えないことで有名だったが、全学部日程を2日間にしたり、大学入学共通テストを利用する入試方式に7科目型を追加するなど、受験生側に立った入試改革が成果として現れたのだろう」と井沢氏。

受験生重視の取り組みが志願者数の増減に如実に現れたといえそうだ。

ZAKZAK2022.2/16 06:30
https://www.zakzak.co.jp/article/20220216-NZCCLUV2WNPN3OHOZOK345ZY5Y/