新型コロナウイルス「オミクロン株」の感染拡大で、医療現場からは、後遺症に苦しむ人がさらに増えるおそれがあると指摘されている。

後遺症治療の現場を取材すると、1年以上に及ぶ身体的な症状に加え、会社を辞めるように迫られるなど、二次的な「被害」に苦しむケースが。
コロナ後遺症の「知られざる実態」を取材した。

1月29日、大阪・堺市の邦和(ほうわ)病院。「コロナ後遺症外来」を開く、この病院の待合室には多くの人が訪れていた。

医師:
あれからどう?

タクシー運転手の男性(50代):
まだちょっと…起き上がれない。やる気が(出ない)。腹に力が入らない。倦怠感というか…

医師:
仕事は?

男性:
いま休んでいます

2021年4月に後遺症外来を始めた邦和病院では、これまでに530人以上が通院していて、症状にあわせて漢方薬を処方し、治療にあたっている。

邦和病院院長 和田邦雄 救急専門医:
(症状は)倦怠感、息切れ、味覚や嗅覚の障害、睡眠障害。あるいは体のあちこちが痛い。ブレインフォグ(脳の霧)といって、
脳に関する症状で、判断力の低下、記憶力の低下。それから脱毛。それぞれの症状を複合している人の方が多い

調理師の40代の男性。2021年8月に感染し、当初は「軽症」だったが、約半年にわたって倦怠感などが続き、感染前と同じようには仕事ができなくなった。

後遺症が続く調理師の男性(40代):
上司からもやっぱり…こういう状態というのが浸透していないのもあるので

医師:
さぼってんちゃうか、と?

男性:
言われます

診断書をもらい、今後2カ月は休職するということだ。

調理師の男性:
仕事が(感染前は)できたことが…頭が回らない。考える力が働かないというか。僕は調理師なので、それに見合った料理が作れていない。
単純にお客さんに出せないので、雑務というか、もっと簡易的な仕事を任せられている状況。本当に負のループ

後遺症の人は、無理に仕事や運動をすると症状が悪化することがある。邦和病院の患者で仕事をしている人のうち約8割は、感染前と同じようには働けなくなってしまう。

邦和病院院長 和田邦雄 救急専門医:
治る期間は個人差がある。なるべく体を休める。仕事も控えた方がいい。その方が治りやすい。

長期間の治療が続く後遺症。そして今、オミクロン株が拡大した時期に感染した人も、治療を受け始めている。
1月に感染が判明した女性。当初は「軽症」で1月下旬まで自宅で療養していた。
https://www.fnn.jp/articles/-/313144
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