※日本経済新聞

エチオピア、ナイル川ダムで発電開始 エジプト反発
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR204CD0Q2A220C2000000/

2022年2月21日 1:35

【アブジャ=久門武史】エチオピアは20日、ナイル川上流の巨大ダムで発電を始めた。膨らむ電力需要を賄う悲願だが、水不足を恐れる下流のエジプトは直ちに「一方的」な行為だと反発した。隣国スーダンとともに開発に懸念を示してきた経緯があり、対立が激化する可能性がある。

エチオピアのアビー首相は20日、大エチオピア・ルネサンスダムについて「アフリカ最大の発電所の最初のタービンがきょう発電を始めた」と表明した。「我々が協力を望む下流の国々にとっても良いニュースだ」と訴えた。

国営通信によると同日稼働したタービンの発電能力は375メガワット。同ダムの13基のタービンが稼働すれば計5150メガワットを発電するとも伝えた。AP通信によるとダム開発の責任者は「完成まで2年半〜3年かかる」と述べた。同ダムは2011年に着工し、計画段階では6450メガワットとしていた。

エジプト外務省は同日、今回の発電開始は3カ国で15年に合意した原則に「違反する」との声明を出した。エジプトは水資源の95%をナイル川に頼っており、人口増で水需要が膨らむなか上流で水量を左右されることを警戒する。スーダンとともにエチオピアと交渉し、水の利用について法的拘束力のある合意を求めてきたが、議論は平行線をたどっていた。

エチオピアにとって電力の確保は急務だ。アフリカで2番目に多い約1億1千万人の人口を抱え、2000年代半ばから高成長を続けたが、世界銀行によると日常的に電気を使えるのは人口の半分にすぎない。慢性的な外貨不足のなか、水力発電は原油高による財政悪化に歯止めをかける効果も見込める。

(略)

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