※NHK 京都府のニュース

京都伏見 淀城跡の家老屋敷 洪水に備え土地かさ上げし再建か
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kyoto/20220228/2010013665.html

02月28日 17時02分

いまの京都市伏見区に江戸時代に建てられた淀城跡の発掘調査で、洪水に備えてかさ上げしたとみられる家老の屋敷跡などが見つかり、当時の防災のあり方を知る貴重な資料として注目されています。

京都市埋蔵文化財研究所は、去年11月から京都市伏見区にある淀城跡で、本丸の東側にあたる「東曲輪跡(ひがしくるわあと)」と呼ばれる場所の発掘調査を進めてきました。
その結果、地下1メートル40センチのところで、1700年代半ばから後半にかけて使われた家老の屋敷跡が見つかりました。
さらに同じ場所では、その後70センチ高いところに屋敷がつくられ、細長い石を埋め込んで地盤沈下を防ぐ「蝋燭(ろうそく)基礎」という工法が取られていたことがわかりました。
かつて淀城は宇治川、木津川それに桂川が合流する水運の要所に位置していましたが、洪水の被害も受けていたことから、屋敷は洪水に備えるため、土地をかさ上げしてから再び建て直されたとみられるということです。
また、今回の屋敷跡では地層が赤く焼け焦げていたほか、黒い焼けあとが残る礎石も見つかり、幕末の鳥羽伏見の戦いに伴って屋敷が焼失した痕跡とみられています。
京都市埋蔵文化財研究所の中谷俊哉 技師は「屋敷のかさ上げは当時の防災のあり方を知る貴重な史料となるほか、焼けた地層や礎石は鳥羽伏見の戦いをめぐる当時の状況を知る手がかりになると思う」と話しています。