2022年3月2日 06時00分

 明治神宮外苑の再開発に伴い、900本近くの樹木が伐採される問題。東京都や事業者は「切るよりも多くの木を新たに植える」などと説明するが、
計画の見直しを求める中央大研究開発機構の石川幹子教授は「1本ずつに歴史があり代えは利かない」と言う。外苑を歩きながら100年の古木の意味を石川さんに聞いた。(森本智之)


 「すごく元気でしょう。ほとんどが樹齢100年以上。『100年以上もある』じゃない」。再開発エリアの一角は、大人2人が両手を伸ばしてやっと囲えるくらいの太い幹の木がいくつも空に伸びていた。石川さんの調査では多くが伐採される懸念がある。
 外苑は、内苑ないえんと一体で1926(大正15)年に整備された。ともに、明治以降の都市化の波に逆らうように、造園学者らが100年後を思い描いて緑をつくった。
だがそれぞれの構想は真逆という。内苑は自然の力で成長する「人の入らない森」を目指し、外苑は「人々が集う庭園」を意図した。

 造営当時、敷地の中心の芝生広場を囲うように疎林を配し、さらにその周辺に森を築いた。外に向かって濃くなる「緑のグラデーション」だ。イチョウ、スダジイ、シラカシ、ヒマラヤスギ、ケヤキ、アカマツ…。どこにどんな木を植えるかも意図がある。
「桂離宮や後楽園で『ビルを建てるから木を切るけど新しく植えるから』と言われて納得する人がいるでしょうか」と批判する。




◆献木は全国から、樺太からも
     ===== 後略 =====
全文は下記URLで
https://www.tokyo-np.co.jp/article/163087