公安調査庁
極右過激主義者の脅威の高まりと国際的なつながり
https://www.moj.go.jp/psia/ITH/topics/column_03.html

2014年,ウクライナの親ロシア派武装勢力が,東部・ドンバスの占領を開始したことを受け,「ウクライナの愛国者」を自称するネオナチ組織が「アゾフ大隊」なる部隊を結成した。同部隊は,欧米出身者を中心に白人至上主義やネオナチ思想を有する外国人戦闘員を勧誘したとされ,同部隊を含めウクライナ紛争に参加した欧米出身者は約2,000人とされる(注2)。

極右過激主義者は,インターネットを通じて「同志」とつながりを持ち,思想の共有やテロの奨励を行っており,こうした動向が極右テロの脅威を高める一因ともなっている。2011年に開設された掲示板Iron Marchは,2017年に閉鎖されるまでの間,ネオナチ思想を有する者や白人至上主義者の交流の中心的な場として機能し,米国の「アトムヴァッフェン・ディビジョン」(後述),英国の「国民行動」等のネオナチ組織のメンバーらも参加していたとされる。
このほか,極右過激主義者は,フェイスブック,テレグラム等の主要なソーシャルメディアだけでなく,Gab,4chan等の掲示板や投稿サイトを利用し,プロパガンダ活動を含む交流を行っている(注3)。