心血管疾患の発症リスクの関係


ポストコロナ時代、心血管系疾患を始めとするさまざま病気にとって最大の危険因子は新型コロナウイルスになるのかもしれない。

新型コロナウイルスへの感染が心臓や血管などの循環器にダメージを与え得ることはこれまでの研究でも明らかにされていたが、
今回このウイルスの影響が少なくとも1年間持続することが証明された。

この新たな研究では、1,100万人以上の米国退役軍人の健康記録が分析された。
その結果、1年前に新型コロナウイルスに感染した退役軍人はそうでない人に比べ、およそ20種類もの心血管疾患の発症リスクが大幅に高まっていることがわかったという。

その影響は脳卒中(脳血管障害)、不整脈、虚血性および非虚血性心疾患、心膜炎、心筋炎、心不全、血栓塞栓症などさまざまな心血管疾患にわたっていた。

また、COVID-19が重症化することなく回復した人たちも、未感染の人たちに比べてより多くの心血管疾患を抱えていたという。

またエストニアの研究では、新型コロナウイルスに一度でも感染した人がその後12カ月にわたり、
未感染者の対照群と比較して死亡率が3倍ほど高くなることがわかったという。

実験は感染歴のある約66,000人の患者と感染歴のない25.5万人の死亡記録を、全国規模の電子医療データを用いて比較したものだった。
その報告によると、新型コロナウイルスに感染後5週間までの死亡率は1万人中1,623人で、未感染者の死亡率(1万人中118人)よりも有意に高かったという。

なかでも60歳以上では死亡率の上昇は感染後1年間は続き、心血管疾患や癌 、呼吸器疾患などのほか、幅広い疾患での死亡リスクの上昇と関連していた。
https://wired.jp/article/covid-19-february-2022/