■「ちょっと増やしてもろうただけ」

 塩田 潮(以下、塩田):2021年10月の衆議院総選挙で、日本維新の会は獲得議席数が約4倍という大躍進を遂げました。予想どおりの結果でしたか。

 松井 一郎(日本維新の会代表・大阪市長、以下、松井):維新は「自民党ばっかりもいや、立憲民主党と共産党はもっといや、ちょっとまともに政治をやってよ」という人たちの受け皿になった。
といっても、僕は「ちょっと増やしてもろうただけ」と言っています。消極的な支援と思っています。まだ完全な受け皿にはなれていない。
党首討論でも、僕は「選挙の目標は自民党の過半数割れ」と言ってきたけど、自民党は単独で絶対安定多数を取りました。僕らは目標を達成できていません。
負けたんだろうなというとらえ方をしています。

 塩田:2021年4月、維新の党大会で「野党第1党を目指す」と打ち出し、半年後の衆院選では「野党第2党」となりました。将来的には今も「野党第1党」が目標ですか。

 松井:日本の国のためには、自民党をピリッとさせるまともな野党が必要、と僕は思います。今、自民党は全然ピリッとしていません。
立憲民主党は、自分が当選をするために主義主張は横に置いて野合・談合ができる党です。こんな党が野党第1党ですから、当面は自民党政権が続きますよ。

 塩田:もう1回、衆院選をやったら、そのときは野党第1党が視野に入ってきますか。

 松井:今の維新の国会議員団が自民党をピリッとさせられるまともな野党として国会で活動し、それが国民の皆さんに伝われば、野党第1党もあるのではと思います。
国会の中の足し算で人を増やすだけでは単なる数合わせ、野合・談合で、世の中の人はそういうやり方に辟易としています。公約実現のための活動を愚直にやっていくことです。

塩田:「野党第1党」など、維新は未達成の大きな目標がいくつも残っていますが、やはり予告どおり2023年4月の政界引退という決意に変わりはありませんか。

 松井:辞めます。2020年11月の2回目の住民投票のとき、住民の皆さんに重い決断をお願いする限り、負ければ辞めるという決意を固めたわけで
、その結果を受けて、誰かが責任を取らないといけない。自分でしっかりけじめをつけたいと思います。

 塩田:とはいえ、その1年後の衆院選で維新は躍進し、党代表としては、言ってみれば国民の信任を得たわけです。その責任を背負って代表を続けるべきでは。

 松井:政党の内部では、絶えず新陳代謝が必要です。僕の世代というか、僕はやり切った感がある。次の吉村洋文大阪府知事の世代の人たちに後を託したいなと思っています。

(中略)
 塩田:4カ月後に参院選があります。自民党と公明党で過半数を維持できるかどうかが注目点といわれています。
参院選の焦点となるテーマは。

 松井:コロナ対策も1つと思いますけど、今、中国と台湾、ウクライナの問題など、
世界の安全保障環境が非常に懸念される状況になっています。日本を持続可能な国家とするためにも、
外交力、防衛力をどうやってアップしていくかが大きな争点になると思います。

 僕は前々から唱えていますけど、参院選と同時に憲法改正の国民投票をやるべきです。
日本は世界に向かって自力で国を守る力を持つんだという意思表示をせず、何かあっても憲法の制約があるので
一歩引いた形で財政支援まで、というやり方ですが、このままで本当にこの先、日本の国民を守れるのかなあ、とその点が心配です。
(中略)
■ベーシックインカムは持続可能な国に必要

 塩田:全国政党としての維新の政策と路線についてお尋ねします。衆院選の前、2021年4月の党大会で、ベーシックインカムに基づく大改革プランを唱えました。

 松井:日本を持続可能な国にするには必要なことだと思います。要点は社会保障改革で、富の再分配です。
われわれのベーシックインカムという方向は、持っている人に一定の負担をしてもらわなければ、という考え方です。
無年金、低年金だけでも、 300万人の方がいる。長寿社会、高齢化社会になったときは、今の賦課方式の年金では、この国は絶対持ちません。
みんなわかっているのに、なぜかやらない。この点にスピードを持って取り組むべきです。そこが自民党といちばん違うところです。

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