3/9(水) 21:09

 ロシア軍の侵攻が続くウクライナの北部にあるチェルノブイリ原発で、ロシア軍が9日、外部からの電力供給を切断した。ウクライナ国営電力会社ウクルエネルゴが発表した。施設全体に電力が全く供給されない状態になっているという。

 使用済み核燃料が貯蔵されている施設があり、冷却ができなくなれば放射性物質が放出される恐れがあるとしている。

 ウクルエネルゴによると、チェルノブイリ原発で働く職員が居住するスラブチチの街全体も停電になった。「軍事行動が続いており、必要な修理作業や電力供給の復旧ができない状態」という。火災の際の消火システムも作動しない状況だという。

 また、国際原子力機関(IAEA)によると、チェルノブイリ原発の監視システムのデータ送信が8日、停止した。

 ロシア軍は2月24日にウクライナ侵攻を開始し、同日、チェルノブイリ原発を武力で制圧した。さらに南東部のザポロジエ原発を3月4日に制圧した。この際、原発内で交戦があり、施設内の建物で火災が発生した。

 一方、英国防省などによると、露軍は9日も首都キエフの北郊を攻撃したが、ウクライナ軍に前進を阻まれた。露軍は北東部ハリコフや北部チェルニヒウ、南東部マリウポリを包囲し、激しい攻撃を続けた。ウクライナ軍は制空権を握っているといい、露空軍に大きな損失が出ている模様だ。

 激戦地から住民を避難させるルート「人道回廊」の設置による脱出は9日も続いた。露国防省は8日、人道回廊のルート周辺でモスクワ時間9日午前10時(日本時間午後4時)から戦闘行為を一時停止すると発表していた。

ソース https://news.yahoo.co.jp/articles/c5a6823bfa5ff148ba8ad6e9810b020607b60eea