英陸軍は9日、兵士の一部が命令に背き、ウクライナへ戦闘に参加する目的で渡航した疑いがあると認めた。

英陸軍によると、問題の兵士らは無許可で部隊を離れ、「個人の身分で」ウクライナに渡った可能性がある。
軍報道官は、「兵士らにはイギリスに戻るよう、積極的かつ強力に勧めている」と述べた。

英軍に所属する全員は、通知があるまでウクライナへの渡航を禁止されている。

リズ・トラス外相は先日、戦闘支援のためウクライナに渡る英民間人を支援すると表明。
しかし、英政府はその後、ウクライナへの渡航は外務省が全面的に推奨していないと、立場を明確にした。

国防省は、戦闘参加は法律違反の可能性があり、 訴追される恐れがあるとしている。

英陸軍が今回の声明を出したのは、英紙サンの報道がきっかけだった。
同記事は、陸軍の歩兵連隊「コールドストリーム・ガーズ」所属の19歳の兵士が週末、ウィンザーの兵舎を出て、ポーランド行きの旅券を買ったと報じた。

国防省はこの報道内容の真偽を明らかにしていない。ただ、休暇中かどうかに関係なく、ウクライナに渡航した兵士は懲戒の対象になるだろうとした。
現役兵士らは先週、ロシアによって侵攻されているウクライナに向かうことは、イギリスが戦闘のために部隊を派遣したと「誤認」される恐れがあると警告を受けた。

一方で、退役兵士の数百人が、ウクライナでの戦闘や医療・人権支援に関わりたいと表明している。
多くの人たちは、渡航すべきかどうか、政府から相反するメッセージを受け取っていると、BBCに話した。

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、外国人に対し「国際旅団」に加わるよう呼びかけている。
どれだけの人がこれに応じたかは不明だが、イギリス人数百人が志願したいと述べている。

イギリスは、ロシア相手に防衛戦を展開しているウクライナを支援するため、武器を提供している。しかし、ウクライナに軍は派遣しないと繰り返し表明している。

西側諸国も、ロシアと直接の軍事対決はしないと明確にしている。

イギリスを含む北大西洋条約機構(NATO)加盟国は、ウクライナ上空に飛行禁止区域を設定してほしいというゼレンスキー大統領の要求を一貫して退けている。
https://www.bbc.com/japanese/60686814

https://ichef.bbci.co.uk/news/800/cpsprodpb/136DD/production/_123618597_gett.jpg