[ロンドン 14日 ロイター] - 大手肥料企業などを営むロシアの大富豪アンドレイ・メルニチェンコ氏は14日、ロイターに対し、ウクライナでの戦争を止めなければ、肥料価格の高騰を通じて世界的な食料危機が起こるとの懸念を示した。報道担当者を通じ、ロイターに電子メールで発言を伝えた。

メルニチェンコ氏はロシア最大の肥料生産企業ユーロケム(本拠地スイス)と、同国最大の石炭生産企業SUEKの創業者で、9日に欧州連合(EU)から制裁を科された。ロシアがウクライナに侵攻して以来、同氏の他にも複数のロシア富豪が公に和平を訴えている。

同氏は「ウクライナの出来事は本当に悲劇的だ。早急な和平が必要だ」とし、「農業と食料も、この危機の犠牲になるだろう」と述べた。

「(戦争により)肥料価格は既に高騰し、農家の手に届かない価格になっている」と指摘。「食料インフレは今後一段と加速し、世界最貧の国々で食料不足を招く可能性が高い」とした。

ロシアの肥料生産は世界全体の13%を占める。ユーロケムは主要肥料の原料となる炭酸カリウム、リン酸塩、窒素を生産しており、同社によると肥料企業として世界上位5社に入る。

ロシア政府は今月、同国の肥料メーカーに輸出を一時停止するよう通告した。

メルニチェンコ氏の報道担当者は同氏について「ウクライナでの悲劇的な出来事には関係していない。政治との協力関係はない」とし、制裁に抗議する構えだと説明した。

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https://jp.reuters.com/article/idJPKCN2LC0B7