震災より激しい|浜通り地方 
 16日夜に発生した地震で、福島県では相馬市と南相馬市、国見町で最大震度6強を観測した。東日本大震災で大きな被害を受けた浜通り地方では、相馬市で1人が死亡し、住宅の被害も相次いだ。同市や楢葉町などでは断水となった。

 相馬市の松川浦沿いの尾浜地区では、壊れた瓦屋根や割れた窓ガラスを撤去する住民の姿があった。旅館「斎春」の屋内でも食器などが散乱し、窓ガラスが破損。運営する斎春商店の専務斎藤智英さん(39)が「壊滅。再開する自信はない」と漏らす。3階建ての建物は東日本大震災の津波で1階が被災し、昨年2月の震度6強の福島県沖地震でも被害を受けた。2度の改修で借金を抱えている。

 新型コロナウイルスのまん延防止等重点措置が6日に解除されたばかり。宿泊客が戻りつつあり、今週末も予約で埋まっていた。だが、今回の地震の影響で断る予定だ。「どうして何度も何度もひどい目に遭わなければいけないんだ」。斎藤さんは悔しがった。

 尾浜地区の水産加工会社「中沢水産」では石組みの蔵が倒壊。大震災の津波と昨年2月の地震にも耐えた。専務の蜂谷清和さん(54)は「大震災よりも激しい揺れ。まさか壊れるとは」とぼうぜんとした。

 相馬市の「スポーツアリーナそうま」に避難した同市の無職女性(89)は「11年前の地震よりも揺れは強かった気がする」と話す。

 震度6弱を観測した楢葉町では最大2000世帯で断水。町役場に設置された給水所には17日午前、住民らが容器を手に列を作った。70代の無職女性は「大震災を思い出し、怖くて寝られなかった」と明かした。


命あるだけ救い|中通り地方
 福島県の中通り地方では、昨年2月の福島県沖地震の傷が癒える前に再び地震の被害に遭った。自治体では罹災(りさい)証明書の発行やボランティア募集も始まった。

 国見町では15人が軽傷を負った。空き家1棟が倒れ、崩れた屋根の下に乗用車が埋まった。他の建物でも屋根瓦が落ち、外壁が崩壊するなどしていた。

 同町の自営業大内勝美さん(83)の店舗兼自宅では棚から陶器類が落ち、商品が散乱。東日本大震災後に外壁に鉄骨を入れ、福島県沖地震後には棚が倒れないように補修もしていた。「建て直しながら商売を続けてきたのに。いつになったら片付くのか」。大内さんは嘆いた。

 避難所の観月台文化センターには、最大で33世帯67人が身を寄せた。新型コロナウイルス対策で世帯ごとにテントが張られ、体調不良の場合は和室に誘導された。国見町役場も庁舎が被害を受けたが、午前に罹災証明書発行が始まり、町社会福祉協議会がボランティアを募っていた。

 自宅の瓦が落ち、天井が抜けるなどした桑折町の無職後藤佳広さん(56)は「(東日本大震災や福島県沖地震より)被害が大きい。どうしたらいいのか分からない。命が助かっただけが救いだ」と肩を落とした。

 福島市の繁華街のビル6階にある飲食店では、テーブルが倒れてグラスや酒のボトルが床に散らばった。来店していた同市の会社員(32)は「大きく2回揺れ、自分はここで死ぬのかという恐怖を感じた」と話した。

 震度5強の郡山市中心部にある大型書店では床に書籍が散乱し、店員が総出で片付けに追われた。当面の間、臨時休業するという。

 同市の八山田災害公営住宅に住む無職男性(82)は「東日本大震災から11年の節目を迎えたばかり。嫌な記憶がよみがえり、一晩中寝られなかった」と付かれた(疲れた)様子だった。

河北新報 2022年3月18日 6:00
https://kahoku.news/articles/20220317khn000079.html
★1 2022/03/18(金) 08:53:50.18
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