ロシアによるウクライナ侵略のニュースが大きく報じられているなか、忘れてはいけないのは依然として猛威を奮っている新型コロナと政府・行政の対応だ。とりわけ大阪府はいまだに東京都を上回る死亡者数を叩き出しつづけており、第6波での死亡者は東京が883人であるのに対し、大阪は1418人(19日時点)と全国的にも突出したままだ。

しかもここにきて、コロナ拡大を防げなかっただけではなく、維新とその支援者がコロナ対策を食い物にしていたのではないかという疑惑が次々暴かれている。


 そのひとつが、維新の最高幹部のひとりである東徹・参院議員が支援する人物が院長を務めるクリニックが、大量のワクチンを確保して大型接種をおこない、約1億円も“荒稼ぎ”している、というものだ。

この問題を報じた16日発売の「週刊新潮」(新潮社)によると、昨年6月と7月に大阪市住之江区にある複合施設「オスカードリーム」では大型の集団接種を実施。この大型会場を開設・接種を実施したのは「ただクリニック」という「診察室2部屋のみ、コロナなどの感染症は専門外の一般的な個人経営規模のクリニック」だった。

 なぜ、大病院でもない個人経営規模のクリニックが、わざわざ大型の接種会場を開設したのか。それは、同クリニックが大量のワクチンの供給を受けていたからだ。

「週刊新潮」が大阪市関係者から入手した内部資料によると、昨年5月24日から10月4日の週に大阪市の基本型接種施設となった医療機関に供給されたワクチンの量は、他のクリニックが5850回分〜9360回分であるのに対し、ただクリニックはなんと2〜3倍の1万9890回分もの供給を受けていたのだ。

 医療機関がワクチン接種をおこなった際には、接種費用に補助金などを加えて1回最大5070円が支払われる。つまり、単純計算で供給されたワクチン約2万回分の接種をおこなったことによって、ただクリニックは約1億円を得た、と考えられるというのである。

 そして、このただクリニックの背後に見え隠れするのが、維新の東議員の存在だ。

 というのも、東議員はただクリニックが開設した大型接種会場で「ボランティア」として活動したことを当時SNS 上で動画付きで報告していたのだが、そもそも東議員は毎年のように同クリニックの院長から寄付を受けており、〈2020年までの6年間で計33万円〉にのぼるという。さらに院長の父親と思しき人物からの寄付もあり、それを合計すると約71万円の寄付を受けているというのだ。

 しかも、接種会場の「オスカードリーム」を運営する不動産会社・キンキエステートの代表取締役も、2019年と2020年に合計15万円を東議員に寄付。ブログでは〈同議員を応援している旨、堂々と記していた〉というのである。


大阪の集団接種会場は松井市長の支援者関連施設、市長の指示を示唆するメールも
 維新最高幹部である東議員の支援者であるクリニックがありえない量のワクチン供給を受け、さらには同じく東議員を支持する人物が代表取締役を務める不動産会社が運営する施設で大型接種がおこなわれた──。その上、「週刊新潮」から直撃を受けた東議員は、ただクリニックへのワクチン大量供給について「まっっっっっったく関係ありません。私に介入の余地はありませんよね」と答えながら、自身の支援者が運営する施設が会場になった件については、「私は『こういう所がありますよ』と多田さんにアドバイスしたくらいです」とコメントしていた。これは、同クリニックのワクチン接種会場の開設には少なくとも関与していたということではないのか。

 吉村洋文知事を筆頭とする維新政治のコロナ失策によって大阪府民を命の危険に晒しつづけながら、ワクチン接種事業を支援者の優遇に使ったのではないかという、この疑惑。しかも呆れるのは、維新とワクチン接種事業をめぐるこうした疑惑は東議員にかぎったものではない、ということだ。


 ほかでもない、維新の代表である松井一郎・大阪市長にも、ワクチン接種事業をめぐって、自身の支援者を優遇した疑惑がもちあがっている。

(略)

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