※2022/03/21 08:15読売新聞

 【ワシントン=蒔田一彦】ウクライナに侵攻しているロシア軍に包囲されている南東部マリウポリの当局は20日、市民ら約400人が避難する美術学校が19日に爆撃を受けたと明らかにした。民間人の避難場所に対する無差別的攻撃が相次いでいる。米国などが軍事作戦が「行き詰まっている」との見方を強めている中、露軍による攻撃の一層の過激化が懸念されている。

 ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は20日、国民向けの演説で「我々は全土で敵を阻止し続けている」と述べ、「8〜9割を破壊した露軍部隊もある」と主張した。イリナ・ベレシュチュク副首相は19日の時点で、少なくとも562人の露軍兵士を捕虜としたと発表した。

 露軍の軍事作戦については、米政策研究機関「戦争研究所」が19日、「露軍の当初の作戦は失敗し、今後も失敗するだろう」とする分析を発表した。オースティン米国防長官も19日、訪問先のブルガリアで記者会見し、「露軍は各方面で行き詰まっている」との見解を示した。その上で「民間人を標的にした残忍で野蛮な手法を使っている」として露軍の攻撃を非難した。

 露国防省は20日、19日に続き、攻撃に際して極超音速ミサイル「キンジャル」を使用したと発表した。南部ミコライウ州にあるウクライナ軍の燃料貯蔵施設を破壊したという。また、首都キエフ西方のジトーミル州にあるウクライナ軍の訓練施設をミサイル攻撃し「計100人以上のウクライナ軍兵士と外国人志願兵を殺害した」と発表した。

 首都制圧などが難航しているとされる露軍は、黒海に面した要衝の掌握に向け、南部を中心とした攻撃に傾斜している模様だ。ウクライナ軍が抵抗を続ける中、手段を選ばない攻撃が強まる事態が懸念されている。

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