2022年03月23日 17時00分 ネットサービス

ウクライナへの軍事侵攻を行っているロシアは、当局がフェイクニュースと判断した情報を発表・拡散した人を処罰する「フェイクニュース法」を制定するなどして国民への情報統制を強めており、
ロシア語版Wikipediaのトップ編集者が逮捕される事態にまで発展しています。そんな中、ロシア当局がWikipediaを完全に遮断する事態に備えて、「ロシア語版Wikipediaの全記事をダウンロードしてオフラインで閲覧可能にするロシア人」が急増していることが報じられました。

Russians are racing to download Wikipedia before it gets banned.
https://slate.com/technology/2022/03/russia-wikipedia-download-kiwix.html

Russians downloading Wikipedia en masse as possible ban looms
https://mashable.com/article/wikipedia-russia-downloads

ロシアはウクライナへの軍事侵攻に関連して積極的なプロパガンダを行っていますが、SNS各社がロシアに有利なフェイクニュースを発信するアカウントを削除したり、
Twitchがロシアによるプロパガンダを排除したり、ロシア国営メディアのチャンネルをブロックしたりと、各国は協調して対処しています。
これに対しロシア当局はFacebookやTwitterへのアクセスをブロックしたり、FacebookとInstagramの運営元であるMetaを「過激派」と認定して国内での活動を制限したりする報復を行っています。

ロシアが西側諸国から孤立するにつれて、ロシアに住む人々が正しい情報を手に入れる手段も減少しつつあります。
そんな中で、ロシア語版Wikipediaは中立的な情報入手源として重要なものになっていますが、
ロシア当局はWikipediaにおけるウクライナ侵攻に関するコンテンツに不満を示し、ブロックする可能性を示唆しています。
https://gigazine.net/news/20220323-russians-downloading-wikipedia-kiwix/