ひぼう中傷する内容のツイートに、多くのフォロワーがいる国会議員が繰り返し「いいね」を押したことが、名誉毀損にあたるかどうかが争われた裁判で、東京地方裁判所は「『いいね』は非常に抽象的で、さまざまな意味を持つ表現行為で、特段の事情がないかぎり違法とはならない」として、国会議員に賠償を求める訴えを退けました。

ジャーナリストの伊藤詩織さんは、不特定多数の人が投稿した、自身をひぼう中傷するツイートに、繰り返し「いいね」を押されて、10万人を超えるフォロワーに拡散され、名誉を傷つけられたとして、自民党の杉田水脈衆議院議員に対し賠償を求めていました。

25日の判決で、東京地方裁判所の武藤貴明裁判長は「いいね」を押す行為について「好意的・肯定的な感情を示すものとして用いられることが多いが、ブックマークや備忘などの目的で使われることもある。非常に抽象的で、さまざまな意味を持つ表現行為で、特段の事情がないかぎり違法とはならない」という判断を示しました。

そのうえで「杉田議員が『いいね』を押した意図や目的は明らかではなく、回数は25件と少なくはないが、執ように繰り返したとまでは言えない」と指摘し、名誉を傷つける意図があったとは認められないとして、伊藤さんの訴えを退けました。

原告の伊藤詩織さん「個人の尊厳傷つけることが簡単に」

判決のあと原告の伊藤詩織さんは会見し「『いいね』を押すことがひぼう中傷にあたらないとなると、差別や個人の尊厳を傷つけることが簡単にできてしまうことになり、恐ろしく思います」と述べて、控訴する意向を示しました。

杉田水脈議員「妥当な判決」

杉田水脈議員は「妥当な判決と受け止めている」とコメントしています。

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NHK NEWS WEB
2022年3月25日 19時00分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220325/k10013552071000.html