1ドル121円から122円台だった円相場は、28日午後6時ごろ、一気に125円台になりました。

 わずか数時間で3円以上、円安に振れました。

■日銀総裁は「円安は基本的にプラス」

 28日の債券市場では、アメリカが金融引き締めのペースを早めるという見方から、日本国債を売る動きが出て、長期金利が一時0.245%に上昇しました。

日銀は、長期金利をプラス0.25%に抑えるよう調整しています。

 その上限に近づいたことから、29日から国債を0.25%の金利で、無制限に買い入れる「指し値オペ」を初めて3日間連続で実施すると発表しました。

 国債は、市場で買われると金利が下がるため、長期金利の上昇を抑える効果があります。

 しかし、大きな副作用として起きたのが急激な円安なのです。

 野村総合研究所 エグゼクティブ・エコノミスト 木内登英氏:「アメリカでは、物価が高騰しているので、中央銀行のFRBが金融引き締めを進めようとしている。
(一方)黒田総裁は、『円安は基本的にプラス』と言い続けていて、日本銀行は金融引き締めには動いていない。
2つの中央銀行の政策の差が、長期金利の差につながっていき、金利の差の分だけ円安が進むということが起こっている。(1ドル)130円あたりは、視野に入ってくる」

■今後は「長期金利の上昇容認か」

 「連続指し値オペ」の発表を受け、28日は利回りの高い、ドルを買う動きが加速し、東京外国為替市場はおよそ6年7カ月ぶりに、1ドル=125円台を突破しました。

 SNS上では、悲鳴とも取れる投稿が相次ぎました。

 「ドルで給料くれよ…」「経済制裁、受けたようになってる」

 今後は、どうなるのでしょうか?

 野村総合研究所 エグゼクティブ・エコノミスト 木内登英氏:「長期金利の上昇を認めないと、円安がかなり加速する。
日本銀行も、政策を軌道修正しなくてはいけない。最終的には、長期金利の上昇を容認するような姿勢を見せると思う」

(「グッド!モーニング」2022年3月29日放送分より)
https://news.tv-asahi.co.jp/news_economy/articles/000249676.html