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宝石をあしらったオーデマ・ピゲの腕時計

スイスの高級時計メーカー、オーデマ・ピゲの数百万ドル相当分の腕時計を、ロシア当局がモスクワの系列販売店から差し押さえたと、スイス・メディアが報じた。

スイス紙NZZアム・ゾンタークによると、ロシア連邦保安庁(FSB)職員らは、関税ルール違反の疑いがあるとして、オーデマ・ピゲの販売店1カ所から腕時計を差し押さえたという。

スイスはこの数日前、ロシアによるウクライナ侵攻を受け、伝統的な永世中立の立場を捨てて西側諸国に同調。ロシアへの制裁を発動していた。

オーデマ・ピゲも、ロシアでの事業を停止したと発表。同社ウェブサイトによると、モスクワ市内に2つある販売店はいずれも「一時閉店」している。

今回の件について、スイス側はコメントしていない。

ただ、スイス政府はこれまでに、高級品をめぐる新たな輸出禁止措置が、一部企業に「不透明な状況」をもたらしているとコメントしている。

オーデマ・ピゲの腕時計には、1個70万ポンド(1億1300万円)以上するものもある。同社はBBCのコメント依頼に応じていない。

業界関係者によると、スイスがロシアに輸出した腕時計の総額は昨年、2億6000万スイスフラン(約343億円)だった。ただ、スイスの高級製品を購入するロシア人は多く、市場規模はそれ以上になる可能性もある。

■外国企業の資産を対象に

ロシア当局はここ数週間、ロシアでの事業を縮小する外国企業の資産を差し押さえる方針を強めている。

ロシアの空港には、リース中の何百機もの外国製旅客機(計約100億ドル相当)が駐機されたままになっている。所有会社は返却を求めているが、拒否されている。

ドミトリー・メドヴェージェフ前大統領は今月になって、ロシアから撤退する西側企業の資産の国有化が、新たな法律によって認められると述べた。

3時間前
https://www.bbc.com/japanese/60909837