https://news.yahoo.co.jp/articles/df6e32baa260784e88abdf1d56a1716f9d6523f6
■ルーブルで国債前倒し償還を発表
ロシア財務省は、28日に利払い期限を迎えた外貨建てロシア国債について、1億200万ドルの利払いを完了した、と発表した。
ロシアのウクライナ侵攻、先進国からの金融制裁発動後に期限を迎えた外貨建てロシア国債の3回の利払いはすべて履行され、今のところデフォルトは回避されている。

31日には4億4,700万ドルの利払い期限がくる。さらに4月4日には制裁後初めての償還期限を迎える。
同日には利払いと合わせて21億2,900万ドルと、今までと桁違いに支払い金額が大きくなるのである。
先進国で外貨準備を凍結され、深刻な外貨不足に直面するロシアが外貨建て国債のデフォルトを回避できるかどうか、ここが山場の一つである。

その償還を翌週に控えた29日に、ロシアは4月4日に償還期限を迎える20億ドルのドル建て国債について、ルーブルでの前倒し償還を行うと突如発表した。
ロシア財務省は、ルーブル建てでの償還に応じるドル建て国債保有者は、ロシア連邦証券保管振替機関(NSD)にその意向を30日(日本時間午後11時)までに示す必要があると表明している。

■奇策の狙いは何か
突然打ち出されたこの奇策の狙いは明らかではない。
ルーブルでの前倒し償還に応じない投資家には、当初の予定通りに4月4日にドル建てで国債の償還を実施するつもりなのであれば、
これは残り少ない外貨をできるだけ節約するための措置と考えられる。
ただし、ルーブルでの前倒し償還に応じる投資家はかなり少数と見られ、ドル節約の効果はほとんどないだろう。
ただし、ドル建て国債を保有する国内のロシアの投資家に、ルーブルでの受け取りを強いる場合には、ドルの節約効果が一定程度生まれる可能性も考えられる。

他方、ロシアが深刻な外貨不足に見舞われる中、今回の措置がもはやドルで国債の利払いや償還を行う意思がなくなったことを意味し、
4月4日にもルーブル建てで利払いと償還を行う考えなのであれば、いよいよロシアのデフォルトが現実のものとなる。
ちなみに、4月4日に償還を迎えるドル建て国債には、異なる通貨で支払うことが可能との規定はないことから、ロシアがルーブルで支払うことを決め、
投資家がそれに応じない場合、30日間の猶予期間でデフォルトが確定する。

※続きはソースで