「福島沖地震(3月16日)はDS(ディープステート)が起こした人工地震」「プーチン大統領はDSと戦う光の戦士」「ワクチンはDSの殺人兵器」。コロナ禍、ウクライナ侵攻下で巷に氾濫する陰謀論。それは特に「保守派」「右派」に膾炙しているようだ。かつて左派が信奉した陰謀論はの根底に「反米」があるが、右側のそれは政治イデオロギーというよりも一服の清涼剤? あるいは「皮肉にもサプリメントですよ」(関係編集者)という表現は保守‐陰謀論の親和性を理解してもらえるだろう。

(中略)

この層は「反TTP」「電磁波批判」とも親和性がある。面白いことに電磁波批判の集会ではスマートフォンの電磁波を恐れながら、自身もスマートフォンを所有しているのが不思議でならない。要は直面する課題に対して実は「無自覚」で、権威・インフルエンサーの主張に共鳴することで社会不安に対するヒーリング、また「不安がること」自体が知的行為と受け止める傾向を感じた。

影響を受けやすいという性。あるいは思い込みの激しさは左右を横断する。こと国内の反ワクチン、親ロシアの最大勢力といえる神真都Qは最たるものかもしれない。

(中略)

反ワクチン活動家に接触を試みると(DSの監視を受けないという)テレグラムを通じてのやり取りを求められたことが多々あった。かつてトランプ氏は「DSと戦う光の戦士」と讃えられたが、現在は露・プーチン大統領が「光の戦士」として信奉されている。「ロシア製のテレグラムなら安全」との考えはプーチン信奉とも無縁ではなさそうだ。

(中略)

■原口一博衆議院議員に DSを聞いてみたが

(中略)

原口氏もDS謀略説を取る立場。同氏がいうDSの定義について質問状を送付してみたが、期限までに回答がなかった。明確な定義付け、つまり具体的な団体名、人物名を挙げることはできないだろう。それはDS説を取る面々の共通点だからだ。

あるいはこういうケースも厄介である。DSについて提唱者に尋ねると膨大な英文や無関係なグラフやデータが送られてくるのだ。定番の手口といってもいい。

アメリカの官僚機構や金融メジャー、あるいは軍需産業が存在することは事実だ。しかしそれらがDSとして世界を牛耳り、コロナワクチンで世界を操作する、こんな事態はありえるのだろうか。またそれほど脅威で巨大組織にも関わらず堂々とデモや動画でDS批判ができるのが不思議でならない。

(中略)

現在、保守論壇でDSは一種のトレンドになっている。その最大の提唱者が元駐ウクライナ兼モルドバ大使、作家の馬渕睦夫氏だ。

(中略)

馬渕氏の影響力や信奉者は少なくない。問題はなぜ保守論壇が陰謀論に傾倒しやすいのかという点だ。自身も関連本を担当した経験を持つ編集者はこう説明する。

「保守論壇のパーティーに行くとネット番組などで時局を語る作家や評論家が水や浄水器、サプリメントを営業している姿を見かけます。そりゃそうでしょ。論壇だけで金になる訳じゃないですから。特に日本会議の会員は中小企業の経営者や自営業者が多いですから、一種の協力金というかカンパ代わりに購入していますね。それに著作があると信頼性が高くなるでしょう。一般の人からみれば“こんな立派な本を出す作家なら安心だ ”ということです」

実は「水」で直感的に思い出したのが、愛知県知事リコールの署名偽造事件で現在、公判中の田中孝博被告も以前は浄水器を販売していたという。保守関係者と浄水器は相性が良いのか。

こう続ける。

「日本の技術が活かされた浄水器だとか、海外にはない良い水だとか、この辺りは保守の精神性に訴えかけるものがあるのでしょう。それにサプリというのもいかにもじゃないですか。馬渕氏が出演する『未来ネット』、また『真相深入り!虎ノ門ニュース』もスポンサーはサプリメント企業です(笑)」

(中略)

「馬渕氏からはDSに対する警戒が語られますが、DSと具体的にどう戦うのかという説明はありません。最後は結局、“身を清めよう ”とか“ 日本人の文化を取り戻そう”または“トイレ掃除を始めよう ”とか道徳心に訴えかけるのです。この部分が保守層の精神性に響くのではないでしょうか」

行き着くところ「日本のこころ」という顛末? つまりDSというパワーワードをきっかけに「道徳」「道義」を説くというわけだ。この点が保守層にとっての心の“サプリメント ”ということだろう。そしてこの道徳、道義という抽象的な概念が「陰謀論」と結びつきやすいのではないか。(続きはソース)

https://jigensha.info/2022/03/25/yamatoq-2/
★1:2022/03/29(火) 23:45:33.98
https://asahi.5ch.net/test/read.cgi/newsplus/1648603100/