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タマネギの高値が続いている。北海道産の不作に加え、代替となる輸入も供給が不安定化。市場価格は過去5年平均の2倍を付け、4月いっぱいは高止まりになるとの見方が強い。流通業者は国内外で代替先の確保に奔走するが、難しい状況だ。

タマネギの日農平均価格と販売量の推移
 「ここまで調達が大変な年は、この10年で初めてだ」。国内外からタマネギを調達する関東の商社は、近年にない環境の厳しさに不安を募らせる。21日にまん延防止等重点措置が全面解除となり、業務加工筋から今後、注文が増える見通し。「需要回復は喜ばしいが、心配が先に立つ」と漏らす。

 タマネギの価格は昨秋以降、上昇が加速。各地区大手7卸のデータを集計した日農平均価格は、3月(26日まで)が1キロ185円と過去5年平均の2倍を付ける。統計のある過去15年間でも、断トツの高値だ。

 道産の干ばつによる不作に、輸入品の不安定化が拍車を掛けた。財務省の貿易統計では輸入価格は昨年9月の1キロ50円から急上昇。12月は前年比3割高の70円で、年明け以降も高値が続く。輸入業者は「米国産も干ばつや物流遅滞で代替できない」と話す。

 こうした事態を受け、関東の業務系スーパーでは、見慣れないオランダ産が店頭に並んだ。仕入れ担当者は「調達が計算できない米国産の代わりに2月から仕入れた。品質は良く反応はまずまず」という。「中国産は多くが皮をむいて輸入されるが、皮付きの注文が増えている」(輸入業者)との声もある。

 後続の佐賀産も遅れ気味だ。現在極早生の出荷が進み、5月の大型連休前後に早生がピークを迎える見通し。JAさがは「生育は1週間から10日ほど遅れている」と話す。