子どもたちの新型コロナウイルス感染が急増している。全国の年代別の新規陽性者の割合を見てみると、
1年前は最も少なかった10代以下が今年3月のデータでは35%を超え、最も多くなった。

「娘は一時39.4度まで出ましたね。私は38.8度だったと思います」(以下、高岡さおりさん)

千葉県に住む高岡さおりさん(45)は、12歳の娘・ゆめさんとともに火曜日からホテル療養を行っていた。

実は2人より前に8歳の息子・ハルカくんが18日に発熱。一時40度を超える高熱に見舞われたが、抗原検査の結果は陰性だった。
しかし、同じ時期にハルカくんのクラスで感染者が確認され、学級閉鎖になったことから、高岡さんはハルカくんも「陽性だった可能性があるのでは」と考えている。

「学校ではマスクしていても鼻が出ている子とかたくさんいますし、給食も黙食って言われてますけど、普通にみんな話をしてしまう。
この状態で感染しないのは逆に不思議なくらいですね」

家庭内感染には一層の注意が必要となる、春休みシーズン。
高岡さん親子は4月5日までホテル療養の予定だ。その2日後には、ゆめさんの中学校の入学式があるが、無事に出席できるか不安だという。


ここにきて、増加傾向を示す子どもの感染。専門家が指摘するのは、オミクロン株の一種で感染力がより強い「BA.2」の影響だ。
ニュース番組「ABEMAヒルズ」に出演したNTT東日本関東病院のニコラス・レニック医師は、オミクロン株の一種である「BA.2」の感染力について、こう説明する。

「ヨーロッパをはじめ、従来株からオミクロン変異株の亜種であるBA.2に入れ替わった国では、感染者が増加傾向です。
おそらく、日本でもBA.2の流行によって、感染者数の増加が想定されます。BA.2の感染力に関しては、今までのオミクロン株よりも3割ほど強いと言われていますが、

それ以外の臨床的な特徴はこれまでとほぼ一緒です。感染者数の数字だけで一喜一憂するのではなく、
ここまで感染力が強いのであれば『いつか感染する』という意識でいたほうがいいでしょう」(以下、ニコラス・レニック医師)


日本では5歳から11歳の子どもを対象にしたワクチン接種が始まっているが、保護者からは子どもに接種させるべきかどうか、戸惑いの声もある。
レニック医師自身は、家庭内で8歳の娘と5歳の息子と話し合い、接種を決断したという。

「確かに子どもたちも手洗いやマスクといった基本的対策を頑張っていますが、大人ほどは気をつけられません。
すると、感染が学校や保育園などで感染が広がりやすくなります。子どものワクチン接種に関しては『高齢者を守るために接種させる』という考え方もありますが、
『周りのため』『上の世代のため』と言って社会の圧力で決めずに、各家庭で子どもと考えて決めてるべきです」

BA.2の感染力を知った上で「いつか自分の子どもが感染してしまうのではないか」と思ったレニック医師。
感染したときに「できるだけ軽い症状で済むようにしてあげたかった」と親としての思いを明かす。

「幸いなことに、日本よりも先にアメリカが子どものワクチン接種を始めていて、去年の12月時点ですでに800万人の子どもたちがワクチン接種を受けていました。
非常に安全性のデータが良好で、副反応も大人よりだいぶ軽い傾向がありました。子どもの重症化リスクはもともと低いですが、
いつか感染したときのために、高熱や入院の可能性を少しでも下げてあげられたらという気持ちです」


もし子どもがすでに新型コロナに感染した場合は、ワクチンを打つ必要はないのだろうか。

「自然感染でできる抗体は、個人差がかなりあります。軽くかかった子どももいれば、中には重症化した子どももいます。
それによって免疫反応が大きかったり、小さかったりしますから、ワクチンほど長期的な効果の保証はありません。

ある程度の免疫がついても、それが具体的にいつまで保つか不明です。もし、私が感染した子どもの親だったら、
感染から1カ月経って、長期的な予防効果も視野にワクチン接種を勧めると思います」
https://times.abema.tv/articles/-/10019146#:~:text=%E9%AB%98%E9%BD%A2%E8%80%85

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