日本維新の会と地域政党・大阪維新の会が、違法な献金を受け取ったとして除名処分とした元党副代表の今井豊・元大阪府議(65)について、処分を撤回したことがわかった。3月30日に本人に通知した。今井氏は受け取った献金を自身の政治団体の政治資金収支報告書に記載し、府選挙管理委員会に提出したため、違法性がないと判断した。維新が除名処分を撤回するのは異例。

 今井氏を巡っては、昨年8月に週刊誌報道で違法献金疑惑が発覚。昨年2月、地元の同府貝塚市長(当時)から50万円を受け取り、2009年頃と13年頃にも計50万円を受領し、いずれも収支報告書に記載していなかった。今井氏は不記載を認めて議員辞職し、維新は除名処分とした。

 今井氏はその後、「政治団体での授受だった」として、21年に受領した50万円を収支報告書に寄付金として記載。残りの50万円については、既にいずれも収支報告書の法定保存期間(3年)と政治資金規正法(不記載)の公訴時効(5年)が過ぎている。

 維新は今井氏から処分撤回の要請を受け、処分の妥当性を検討。「遡って処分を取り消すのではなく、現時点で違法性はない。本人の名誉回復」として撤回を決めた。今井氏は取材に「復党するわけではない」と話したが、長く維新の選挙戦略を取り仕切っており、党内では「来年の統一地方選などに向けた復党準備ではないか」との見方もある。

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