新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチン接種を受けるべきか否か迷っている妊娠中の女性がいたとしたら、
その判断に影響を及ぼすであろう、新たな研究結果が報告された。

妊婦がCOVID-19に感染した場合、早産や静脈血栓症などの妊娠合併症のリスクが2〜3倍高くなるという。
米カイザー・パーマネンテ女性と子どもの医学研究部門のAssiamira Ferrara氏らの研究によるもので、詳細は「JAMA Internal Medicine」に3月21日掲載された。

論文の筆頭著者であるFerrara氏によると、「われわれの研究結果も含め、妊娠中にCOVID-19に感染すると、
重篤な合併症のリスクが高まるという報告が増えてきている」という。

他方、「妊娠中のCOVID-19ワクチン接種の安全性に関してはエビデンスがある」として、
周産期の合併症のリスクとワクチン接種の必要性を比較検討するための情報が充実してきた」と述べている。

Ferrara氏らは、2020年3月1日〜2021年3月16日に、カイザー・パーマネンテ北カリフォルニアで行われた周産期医療のデータベースを用いて、
妊娠中のCOVID-19感染の影響を解析した。


論文の上席著者であり、カイザー・パーマネンテの周産期医療のスペシャリストであるMara Greenberg氏は、
「規模が大きく、多様な集団を対象に含めたわれわれの研究結果は、妊娠中または妊娠を計画している女性のワクチン接種の必要性を裏付けるものだ」と結論付けている。

その上で、「妊婦や妊娠前の女性が自分自身、そして生まれてくる子どもを守るためにできる最も重要なことは、
ワクチン接種を受けることである」と付け加えている。
https://diamond.jp/articles/-/300880