現代ビジネス 4/11(月) 5:02

 1974年から6年ごとに日本製教育協会が実施している「青少年の性行動全国調査」の最新2017年(第8回)調査の結果と近年の性教育について社会学的に分析した林雄亮・石川由香里・加藤秀一編『若者の性の現在地』(勁草書房)が刊行された。

 調査開始以来、高校生・大学生の性行動経験率はおおよそ徐々に活発化し続けていき2005年に男女ともにピークになる(高校生男子26.6%、同女子30.3%、大学生男子63.0%、同女子62.2%)。しかし、2011年調査では高校生、大学生ともに大きく低下し、2017年調査ではさらに低下した(高校生男子13.6%、同女子19.3%、大学生男子47.0%、同女子36.7%)。

 これらをどう捉えればいいのか、また、どのような性教育が望ましいのか。林雄亮・武蔵大学社会学部教授に訊いた。

行動だけでなくイメージにおいても消極化が起こっている

 ――2017年調査では性行動の経験率だけでなく、「今までに性的なことに関心をもった経験があるか」への回答でも中高生で低下が著しく、また、「交際相手がいる者」の割合も大きく低下しています(2005年調査では「交際相手あり」が高校生男子21.8%、同女子29.5%。大学生男子38.2%、同女子46.0%。対して2017年調査では高校生男子15.8%、同女子23.8%。大学生男子26.1%、同女子30.5%)。林先生がこれらの調査結果に関して特に伝えたいことはどういった部分でしょうか。

 林 性行動経験率の話だけが一人歩きしがちですが、実は全体が消極化したわけではなく、性行動の分極化(二極化)が進んでおり、一部の層においてはむしろ性行動の低年齢化が進行してもいます。消極的な人自体は以前からいましたから「バランスが変わってきた」と捉えるほうが正確です。

 性交経験という実際のアクションだけでなく、心理的な側面で「性に関心がない」という意思表示をする若者が増え(中学生男子では50.6%、同女子では68.4%)、また、性に対して「汚い」「暗い」といった否定的なイメージも強くなってきています。

 子どもたちがそう思うということは、今後の性行動の不活発化をさらに進め、未婚化・晩婚化とも間接的につながってくるだろうと思われます。性被害・性犯罪の報道は体感的に言ってかつてよりも増えていますから、これが若年世代の性への印象をよくないものにしている一因という可能性もあります。

 性交経験の割合がなぜ下がったかについて様々な仮説が飛び交っていますが、確たることは言えません。たとえば「スマホの影響だ」と巷で言われます。可能性は否定しないものの、測定するのは難しい。人々がスマホで何をしていて、それがどう性行動に影響があるのかを実証した人は誰もいません。

 ――安易な推論に飛びつくことには禁欲的であるべきだと。

 林 かつて携帯電話(フィーチャーフォン)が出て来たときには不活発化しなかったわけです。もちろん携帯にはなかったスマホの特徴としてモバイルインターネットの爆発的な普及がありますが、実証的にはなんとも言えません。なお性の消極化は日本だけではなく、アメリカや韓国などでも指摘されており、日本特有の現象ではないことも合わせて考える必要があります。

 ――林先生は今回の本に寄せた論文で、高校生・大学生の交際率低下がその後の20代の交際率低下にもつながっていると書いていましたよね。

 林 大学生までの交際経験がゼロの人が増え、大人になってもゼロの人が増えています。こちらも原因を容易に特定できるものではありません。ただ学生を見ていると、大学の授業で出席が厳格化されたことをはじめ、私たちが学生だったころよりもはるかに忙しくなっているし、就活するにあたっても求められることが増えている印象があり、交際の優先度が相対的に下がるのも当然かなという気がしています。

※続きはリンク先で
https://approach.yahoo.co.jp/r/QUyHCH?src=https://news.yahoo.co.jp/articles/7692e80a530ccfec27f942a9001f88a37f4caa7d&preview=auto

★1:2022/04/11(月) 09:48:49.74
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