もし戦争が起こったら国のために戦うか。この質問に「はい」と答える人の割合が、日本は断トツで低い。最新の「世界価値観調査」によれば、日本における割合は13.2%。7人から8人に1人ということだ。

 ウクライナは56.9%なのだが、それでも世界で見れば、決して高い数値ではない。ベトナムの96.4%、中国の88.6%、ノルウェーの87.6%というように、ほとんどの人が国家のために戦おうとする国も多い。

 もしも1940年代前半の日本でこの調査が実施されていれば、「はい」と答える割合は高かっただろう。子どもたちは国家のために死ぬことが理想だと教育され、兵士として命を落とした若者も多い。

 しかし戦前の日本も軍国主義に舵を切る前は、自由主義が幅を利かせた時代があった。調査が検閲される危険性がなかった場合、国のために戦おうと思う人の割合は、特に中高年では、それほど高くなかったかもしれない。

 実際、戦争に負けた日本は、その敗戦をあっさりと受け入れた。アメリカ軍が恐れたような、狂信的な天皇主義者による徹底抗戦もなく、完全武装した米軍に対して、日本の人々は総じて礼儀正しく振る舞った。あれだけ戦争中には「玉砕」が唱えられたのに、玉音放送後に自殺を選んだ人の数は、数百人程度に過ぎない(ジョン・ダワー『敗北を抱きしめて』)。

 どこに国土があるのかによって、大きく歴史は変わり、それが国の戦争観や軍事観に影響を与える。最近、再び注目を浴びている地政学では、大陸国家と海洋国家の違いに注目する。

 一般的に隣国と陸続きの大陸国家では戦争が発生しやすく、「強い国が生き残る」という弱肉強食の国家観が形成されやすい。一方の海洋国家や島国では、国土を防衛する必要性が低く、経済活動が重視される傾向にある。海が自然の防壁の役割を果たしてくれるからだ。

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