日産がルノーから一部の株式を買い取ろうとする可能性も
ルノーが日産以外にも保有株の買い手を探すこともあり得る

フランスの自動車メーカー、ルノーは出資先である日産自動車の一部株式を売却することを検討している。事情に詳しい関係者が明らかにした。電気自動車(EV)事業強化に充てる資金を確保するとともに、日産との長期にわたる緊張関係を和らげる可能性のある動きとなる。

  日産株18億3000万株を保有しているルノーから日産がその一部を買い取ろうとする可能性もある。非公開の情報だとして関係者が匿名を条件に語った。保有株が日産の発行済み株式総数の43%に上るルノーは、日産以外にも買い手を探すこともあり得ると関係者は説明した。

  ルノーと日産の広報担当者はコメントを控えた。こうした動きを受け、22日のパリ市場ではルノーの株価が一時8.3%高となった。

  日産株の売却は、ルノーのルカ・デメオ最高経営責任者(CEO)が2月に概要を示し始めた大掛かりな構造改革を資金面で支えることにもなる。同社はEV事業の分離や上場を検討している。

  日産の自社株買い戻しに向けた環境は1年前と比べ良好だ。現金など手元資金を2兆円抱えているほか、通期の営業損益も3年ぶりに黒字に転換する見通しだ。日産のアシュワニ・グプタ最高執行責任者(COO)は近くパリを訪れ、デメオCEOと会談する。来月には両社の幹部が東京で会合を開く。

ブルームバーグ 2022年4月22日 19:04 JST 更新日時 2022年4月22日 20:38 JST
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-04-22/RAQ5PMT0G1KZ01?srnd=cojp-v2