現職の警察官(警視庁巡査長)が高齢者宅に侵入、空き巣被害捜査をしているかのように見せかけて現金やキャッシュカード、預金通帳などを盗み、暗証番号を聞く――前代未聞の連続窃盗事件が今年6月、東京都福生市で起きた。警察手帳や名刺は偽造し、本物の被害届書類を悪用。警察官の地位をふんだんに利用した手口は悪質だ。だが、この警察犯罪の裁かれ方はあまりに甘かった。警察と検察は、ありふれた空き巣事件と同様に、住居侵入・窃盗・窃盗未遂の罪だけに問い、公文書偽造・同行使といった職権濫用に伴う犯罪の立件を見送った。結果、裁判所は「懲役3年、執行猶予5年」の“温情判決”に。新聞・テレビは公判内容を取材も報道もせず事件の風化に一役買っている。これほどの犯罪に警察官が手を染めても身内に甘く実刑にもならないなら、今後も同種の犯罪は続発する。いったいどのような手口だったのか、見破るにはどうすればよいのか、詳報する。

【Digest】
◇ 記者クラブメディアは報道せず
◇「安定した職」求めて警視庁に入る
◇ 警察手帳を偽造する
◇「空き巣捜査」の芝居打つ警官泥棒
◇1週間後に第2の犯行 
◇被害者の眼前で現金350万円を盗む
◇同僚と口裏あわせ
◇「大金があったのは偶然」?
◇ 犯行後も風俗通い

◇ 記者クラブメディアは報道せず
 2021年10月11日午後3時、この季節にしては蒸し暑い東京地裁713号法廷で、住居侵入・窃盗・窃盗未遂の罪に問われた警視庁荻窪署交通課所属の元巡査長・戸嶋亮太被告人(36歳)の判決公判が開かれようとしていた。司法記者クラブに傍聴席の大半を占領される――そんな懸念は杞憂だった。傍聴席を見渡しても、新聞、テレビ、通信社といった記者クラブメディアの記者らしい姿を見つけることはできなかった。
 戸嶋被告人は、刑務官に伴われ、上下灰色の安っぽい運動着姿で入廷した。痩せ型で、身長は170センチくらい。脂ぎった黒い頭髪の襟足が伸びている。手錠腰縄を解かれて証言台に立った戸嶋氏に、一呼吸おいて瀧岡俊文裁判長が、判決を言い渡した。

「主文、被告人を懲役3年に処す。未決勾留日数のうち50日を刑に算入する。但し、この裁判確定の日から5年間、刑の執行を猶予し、その期間中、被告人を保護観察に付する」

 検事求刑は懲役3年6月。これに対して言い渡されたのは、懲役3年執行猶予5年。執行猶予付きの判決だった。実刑を予想していた筆者は、拍子抜けした。警察権力を悪用した犯罪が、ふつうの空き巣と同じように裁かれてよいものだろうか。そんな疑問を禁じ得なかった。

 もし新聞やテレビでこの判決内容が広く報道されていれば、多くの都民や市民が同様の違和感を覚えたことだろう。だが、戸嶋氏の事件に関して、新聞やテレビが警察発表をもとに報じたのは、6月の逮捕時だけ。公判内容や判決についてはどこも報道しなかった。結果、発生から4ヶ月で、早くも事件は人々の記憶から消え去ろうとしている。

 記者クラブメディアのこの報道姿勢に、警視庁の幹部たちは、さぞ感謝していることだろう。

◇「安定した職」求めて警視庁に入る
 戸嶋氏の初公判は、9月27日に東京地裁で開かれ、即日結審した。以下は、このときの傍聴取材に基づく事件の概要である。

 戸嶋亮太氏は1985年生まれで、秋田県の高校を卒業後、2004年に警視庁に入った。現在でいうⅢ類(高卒相当)だ。

 入庁動機について、内部の書類に次のように書いている。

「昔から警察官にあこがれていたというよりは、公務員という安定した仕事につきたい」

 望みどおり警視庁警察官になり、戸嶋氏は安定した収入を手にする。だが、ある問題を抱えることになる。パチスロやデリヘルに耽溺し、浪費するようになったのだ。いつから、何がきっかけでそうなったのか.....この続きの文章、および全ての拡大画像は、会員のみに提供されております。

https://www.mynewsjapan.com/reports/2619

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