2022/5/3 15:09

 抜群の嗅覚でスピード解決――。警察官が見つけられなかった行方不明者をわずか18分で見つけたとして、愛知県警一宮署は嘱託警察犬のシェパード、アグネス(雌8歳)に犬用の骨型ガムを贈り、訓練士の境史雄さん(56)に感謝状を手渡した。

 アグネスが出動したのは4月17日。この日は一宮市の民家から「家族が徒歩で自宅からいなくなった」という110番があり、一宮署員が朝から民家付近を捜索したが、行方がつかめず、アグネスの出動が要請された。

 現場に到着すると、境さんは不明者の靴の匂いをアグネスにかがせ、午後1時52分から捜索を開始。アグネスは迷いなく、境さんを引っ張るように進んでいくと、目前には行方不明者の姿が。
発見時刻は午後2時10分。開始から20分にも満たない解決で、境さんは「行方不明者の写真と目の前の人が同じだったので心臓がバクバクした。うれしかった」と振り返った。

 アグネスの母親は警察犬。アグネスは警察犬として重要な能力を母親から受け継いでおり、「匂いを嗅ぎ分ける能力にたけていて、足跡を正確に追っていくことができる」(境さん)という。同署によると、警察署が飼育する直轄警察犬ではなく、嘱託警察犬が行方不明者を発見したのは県内初という。

 4月28日に同署であった贈呈式で、境さんは「見つけてくれてありがとう。よく頑張ったね」とアグネスをねぎらい、アグネスもうれしそうに骨型ガムを頰張っていた。【森田采花】

https://mainichi.jp/articles/20220503/k00/00m/040/101000c