※朝日新聞

体長1cmの熱戦、のこった!「ホンチ」のクモ相撲、愛好家らが開催
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足立朋子 2022年5月4日 10時53分

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「ホンチ」と呼ばれる、体長1センチほどのクモを戦わせるクモ相撲の大会が3日、横浜市の金沢自然公園で開かれた。かつて横浜の子どもたちを熱狂させた遊びで、当時の少年たちを中心に結成した「横浜ホンチ保存会」が主催。小学生から大人までの約30人が大いに沸いた。

江戸時代には行われていたクモ相撲
 「おっ、いけー」「いい勝負だ」。四角い板の上に載せた小さなクモ2匹の動向を、取り囲む人々が息をのんで見つめる。クモは互いを視界にとらえると前脚を振り上げ、左右に揺らす威嚇を開始。その後、相撲さながらに組み合い、逃げ出した方が「負け」となる。力が伯仲し、10分も組み合う大一番となることもある。

 ホンチは、正式には「ネコハエトリ」と呼ばれるハエトリグモのオス。普段は生け垣などをぴょんぴょん跳ねる姿でおなじみだが、4~5月の繁殖期にオス同士が出会うと、縄張りやメスを巡って戦う。

 この習性を利用したのがクモ相撲だ。遅くとも江戸時代には行われていたとされ、横浜には東京湾を挟んだ房総半島の漁師から伝わったという説がある。特に娯楽が乏しかった戦後の1950~60年代、子どもたちを夢中にさせた。保存会メンバーの前川隆敏さん(70)は、強そうなホンチを目を皿にして探し、駄菓子屋で売っていた「ホンチ箱」に入れて大事に育て、友だちのホンチと戦わせた、と振り返る。「毎年、ホンチと出会える春が待ち遠しくて仕方なかった」

「伝統を途絶えさせないようにしなければ」

 その後、住宅開発などが進み、ホンチが好む雑木林が激減。高度成長期と共に遊びも廃れていったが、83年、かつての愛好家たちが保存会を結成した。毎年5月の連休に大会を開き、現代の子どもたちに手ほどきするなどの活動が実り、2019年秋、横浜市の登録地域文化財となった。

 しかし、折あしく直後からコロナ禍に。翌春の大会は中止せざるを得なかったが、(略)

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