※2022/05/05 00:10

 【ロサンゼルス=渡辺晋】米国で、女性の人工妊娠中絶の権利を認めた半世紀前の連邦最高裁判決が覆される可能性が高まったとして、波紋が広がっている。最高裁が中絶を規制する南部ミシシッピ州法の合憲性を巡る訴訟を審理する中、中絶の権利を否定する保守派判事がまとめた多数意見の草稿を米政治専門紙が入手し、報じたためだ。最高裁は3日、情報漏えいがあったとして調査を始めた。

米最高裁前で抗議デモを行う人々(3日、AP)
 「草稿は法廷の決定を表したものではなく、判事のいかなる最終的な立場も示していない」。最高裁は3日、草稿を「本物」と認めた上で、そう強調した。

 最高裁で検討中の内容が外部に漏れるのは極めて異例で、ジョン・ロバーツ長官は「法廷機密に対する裏切り行為だ」と非難し、調査を指示したと表明した。

 米国で、中絶は女性の憲法上の権利として認められている。最高裁は1973年、胎児が子宮外で生存できるようになる妊娠22~24週目頃までの中絶を容認する判決を言い渡した。

 問題の草稿は、政治専門紙ポリティコが2日に報じた。73年の判決を「誤り」と断じ、中絶規制は各州の裁量に委ねられるべきだとした内容で、保守派の最高裁判事が2月に作成した。ロバーツ長官を除く他の保守派判事4人も賛成した多数意見だとしている。

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読売新聞オンライン: 中絶の権利否定か、米最高裁の草稿報道に全米が衝撃…73年の判決覆される可能性.
https://www.yomiuri.co.jp/world/20220504-OYT1T50129/